惑星の形成

太陽の近くには岩石でできた地球型惑星(岩石惑星)があり、
遠くにはガスでできた木星型惑星(ガス惑星)があります。ど
うしてこうなったのでしょう(図1)。

太陽ができた頃、46億年もむかし、太陽の回りには円盤があ
り、その円盤の成分は、ミクロン単位の小さなチリとガス
でした。チリは徐々に集まって微惑星とよばれるキロメート
ルサイズの岩石に成長します。さらにそれらは引力で集まっ
て惑星の卵「原始惑星」にまで成長し、やがて惑星になりま
す。惑星の形成とはそうした集積の過程といえます。

最初のころ、微惑星が集まる段階では、いったんチリが集ま
り出すと、一つの塊には「引力圏」というものがあってその
範囲にある小さな微惑星を取り込んで、どんどん成長します。
そうしてその塊は、より重くなり、さらに引力圏を拡大し、
さらに成長してゆきます。

この引力圏のサイズは太陽からの距離に比例して大きくなり
ます。なので太陽から遠い惑星ほど大きなサイズに成長し得
るわけです。

図2を見てください。これは古墳時代の小国の分布地図ですが、
中央政権に近い、近畿地区ほど小さく区分けされた国がたく
さんあって、近畿から離れた関東や四国、九州、そしてさ
らに離れた東北に行くほど国の面積が大きくなります。これ
は、中央政権に近いほど分断する力が大きく働いたからでし
ょう。私は歴史や政治経済にはとんとうといのですがそんな
想像をしています。

おもしろいことに、惑星も似ていて、中央にある太陽に近い
ところは太陽の影響が大きくて小さな塊ができて、太陽から
離れるほど大きな塊に成長できるのです。水星から火星あた
りよりも、木星、土星あたりの方が大きな原始惑星が成長出
来たのです。でも、さらに遠いところは、成長するには長い
時間が必要で、成長しないまま現在を向かえたことになりま
す。天王星や海王星、さらに冥王星の仲間たちがそうです。
図2でいくと、東北の北部や蝦夷がまだしっかりした国が形成
されていないことに対応します。

木星の卵(原始惑星)は大きく成長すると、やがて引力圏内に
あるガスも吸い寄せて、ガスの衣を着るようになります。現
在の木星の質量のほとんどはこの吸い寄せたガスの質量です。
土星も同様で、これらがガス惑星というわけです。

一方、太陽から近いところにある小さい原始惑星はその小ささ
のため、引力が小さく、ガスを集めるには長い時間がかかりま
す。原始太陽系円盤のガスが存在した期間以内にガスを集める
ことができず、ガスの衣を着る時間が無かったのが、水星、金
星、地球、火星、つまり、地球型惑星たちです。

※No.101 図2のグラフの横軸「1億光年かなた」は「10億光年かなた」、
「2億光年かなた」は「20億光年かなた」のあやまりです。
お詫びして訂正いたします。


http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/102-fig1.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/102-fig1.ppt
図1 惑星の大きさと種類
画像をクリック(拡大)

http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/102-fig2.jpg
図2 古墳時代の国の分割の様子
画像をクリック(拡大)

http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/102-fig3.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/102-fig3.ppt
図1 惑星の形成
画像をクリック(拡大)