流星群と放射点

「流れ星」を見るとちょっと得した気分になります。「おっ」
とか「わっ」とか心で叫んでいることもあります。人口の光が
無く、夜空を見る習慣さえあれば、ひんぱんに流れているので、
流れ星を見ることはごく自然のことです。でも、意外と見たこ
とない、とおっしゃるかたも多いのも事実です。そこで、この
夜はたくさん見えるよ、という流星群が人気です。

例えば、しし座の方向から降って来るしし座流星群は11月17日
の夜中から 18日の早朝にかけてたくさんの隆盛を降らせます。
もうすぐですね。また、12月14日前後のふたご座流星群も有名
です。これは、ふたご座の方向から降って来ます。ぜひ、これ
らの流星群の観察に挑戦してみてください。

流星群には放射点と言うのがあって、ある一点を中心にそこか
ら放射状に流れます。たとえば、しし座流星群では、ししの頭
のあたりを中心にして放射状にながれます。この見えかたの特
徴を説明したいと思います。

流れ星のもととなる小さな固体のチリ(ダストとも呼んでいます)
がまとまってある場所があります。太陽の回りを公転運動してい
る地球がその場所に入ってくると、地球から見てチリが大量に降
ることになります。地球からみると雨粒のようにつぎつぎと地球
に向かってチリがぶつかって来ます(図1)。チリのひとつぶひとつ
ぶは一斉に同じ方向からやってきます。このやってくる方向を地
球からみると図2のようになります。チリの通り道は互いにみな
平行ですが、絵を書くときの遠近法の感じで、図2のようにチリの
軌道は放射状に見えます。

平行にあるものが放射状に見える例は一杯あって、例えば、図3の
ように互いに平行な筋が見た目には放射状に見えます。このような
効果で流れ星の道筋は放射状に見えます。筋の出発点が放射点で、
放射点がしし座にあるとしし座流星群、ふたご座にあるとふたご座
流星群と呼ばれます。

この放射状の線の上のどの部分で発光するかはまちまちですので、
実際に流れ星が光るのは「しし座」や「ふたご座」に限られている
わけでなく、放射点から離れた場所のほうが、すーと長く引くみご
とな流れ星が見られます。図2の黄色いところが光ったところという
ことになります。

http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/106-fig123.ppt
図1ダストの中に侵入した地球
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/106-fig1.jpg
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図2 ダストの降って来る方向を地球から見る
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/106-fig2.jpg
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図3 平行なものが放射状にみえる例
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/106-fig3.jpg
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