春を迎える

今年の立春は2月4日です。私としては一年のはじまりを「立春」にして
この日をお正月としたいところですが、現在わたしたちが使っている
グレゴリオ歴はいろんな歴史的な理由で変な場所に1月1日があります。
一方、旧暦とよばれる太陽太陰暦の方は立春の日を正月にしたくても
この日がちょうど新月にならないので、これまた正月にはできません。
太陰暦は月を基準にする暦なので新月が一日と決まっているからです。
「ついたち」というのは「月立ち」というのがなまったものでひと月
のサイクルで最初に月が現われることを意味しています。

旧暦の正月は今年は2月14日です。この日はもちろん新月です。旧暦では
結局、立春に近いところで新月の日を探して、それを正月とします。

星座も春の装いがちらっとみえています。図1は2月8日午後8時ころの
北東から東の空です。注目は北斗七星です。地面からニョキッとでたところ
です。並んでしし座が見えます。そして、それより高くマイナス1等星の
赤い火星が見えています。ちょうどふたご座としし座の中間位置です。
ここは「かに座」です。普段は見つけにくい星座ですが、今は火星が
「ここはかに座ですよ」と教えてくれていますので、かに座生まれ
(6月22日から7月22日)の方はぜひこの機会に自分の星座をお確かめください。

双眼鏡をお持ちの方は、火星のあたりを観察してみて下さい。かに座の
小さな四角形(図1参照)の中をみるとたくさんの星がごちゃごちゃしている
のが見えてとてもきれいです。これは散開星団と呼ばれる種類の天体で、
同時に生まれた星の集団です。おうし座の「すばる」もこの種の
天体です。かに座にあるこの散開星団はプレセペという名をもっています。
通称、かに味噌です。おいしそうですね。



図12月8日午後8時ころの星空
(アストロアーツ/ステラーナビゲータを用いて作製)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/115-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/115-fig1.jpg
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図2 かに座のプレセペ星団(提供 SkyView, NASA)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/115-fig2.jpg
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