惑星の起源(ダストの集積、合体)


水はもちろんのこと岩石や金属も高温にすれば空気のような気体に なることを前回お話しました。宇宙をただよう気体は水素とヘリウムを 主成分としますが、気体になった水や岩石や金属を含んでいます。 その宇宙の気体が、もし集まって冷却されると、 気体だった水や岩石や金属は固体になります。 そして、氷や砂粒や金属の微粒子まじりあった星間ダストとよばれるものを 形成します。これらは地球のような惑星の材料と考えられます。

万有引力で宇宙の気体があつまって来ると、引力のためさらに中心に ガスが集中してきます。気体のかたまりはわずかながら回転しているため、 図1のように中心に生まれたばかりの太陽があり、その回りを回転 する気体の円盤状のものができます。これが太陽系の始まりです。 円盤は放射冷却で冷えると円盤の中にダスト層ができます。

円盤の中のダストはミクロンサイズですが、それらは互いにくっついて 微惑星になります。微惑星はさらに衝突合体をしながら原始惑星へと成長します。 原始惑星は巨大衝突をして最終的に現在の惑星になると思われています。 衝突による合体だけでなく、一方で破片が飛び散ると言うこともあるでしょう。 私達の太陽系の場合、太陽に近い方から、水星、金星、地球、火星、木星、土星、 天王星、海王星という8つの惑星が出来ました。 火星と木星の間には惑星になることなく砕けた岩石の破片ともいえる小惑星が 公転しています。 発見された小惑星の数は数十万ですが、観測されないほどの小さなたくさんの 小惑星があると思われます。

小惑星探査機「はやぶさ」が撮影した小惑星「イトカワ」の姿を見ると、 飛び散った微惑星か原始惑星の破片がふたたび集積したと思われるゴツゴツと した様子が見て取れます。

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図1 惑星が形成される前の円盤構造
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/168-fig1.jpg
原画
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/168-fig1.ppt


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図2 小惑星「イトカワ」(JAXA提供)
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