太陽の最後


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星はその最期に大爆発を起こし超新星となって死んでゆくと解説される ことがありますが、これは太陽の10倍以上もある大質量の星のことであって、 太陽の最期はもっと静かなものです。でも、ちょっと華麗かもしれない。

質量の大きな星はずうたいも大きくて、ぶくぶく太った感じで密度は小さい ものです。なので、質量の小さな星ほど中心部の密度はより高くなっています。 太陽はたくさんある星のなかでみると質量の小さな星なので密度は高いことに なります。 また、質量の小さい星は燃料である水素を燃やして最終的に、炭素や酸素を 作りますが、中心温度が数億度どまりで、それ以上高くなりません。そのため、 さらなる核融合反応によるエネルギー供給を受けることはありません。 その後は冷えてしまい、圧力が無くなるので縮んでブラックホールにでもなり そうですが、実際はそうはなりません。

そこで重要となるのが電子の縮退圧とよばれる圧力です。直感的には、電車に ぎゅうづめで人を乗せると、身体は反発するので列車内の人は圧力を 感じるのと似ています。

縮退圧で支えられた太陽とおなじくらいの質量の星は、大きさが地球くらいで、 とても小さな星です。太陽の質量が地球の大きさに詰め込まれているので、 非常に密度が高く、1立方センチメートルあたり1トンもあります。それだけ、 電子がぎゅうづめになっていて圧力をもっているのですね。 このようなちっちゃな星を白色矮星(はくしょくわいせい)と呼びます。

そんなちっぽけで冷えてゆくばかりの星ですが、星の外側は重力が小さくて 膨脹して行き、星雲になります。これがとてもきれいなのです。 このような星雲を惑星状星雲といいます。小さな望遠鏡でみると惑星のように 見えたのでその名がありますが、惑星とは関係ありません。 惑星状星雲の形はさまざまで、二つの例を図1と2に示しました。 中心に白色矮星がみえますね。



図1 820光年の距離にあるこぎつね座にある惑星状星雲(M27) (撮影:山口康広:やまがた天文台)
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図2 3千光年の距離にりゅう座にある惑星状星雲(NGC 6543) (提供:NASA)
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