木星の衛星はミニ太陽系


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陽が沈んで暗くなると東のそらから木星が昇ってきます。ギラギラととても 明るく光る星にきっと気がつくと思います。それが木星です。木星は、地球 と同じく、太陽のまわりを巡る惑星です。およそ12年かけて太陽のまわりを 一周します。

小さな双眼鏡で木星を見てみましょう。もし、ちょっぴり性能が良い双眼鏡 なら、木星のまわりを巡る四つの衛星が見つかります。四つが一列に並んで いるのでとても可愛い感じに見えます。子ガモを連れた親ガモのようです。 毎日観察を続けると四つの衛星が木星のまわりを回っていることに気がつきます。 まさに、ミニ太陽系です。ガリレオはこれを見て、当時徐々に明らかになりつつ あった「地球は他の惑星とともに太陽の回りを巡っている」という地動説 を確信したと言われています。

しかし、これを確実にするためには地味な努力が必要です。図1は、木星の 回りの四つの衛星の位置を何回も観測した私の学生さんのスケッチです。 こんな観察を百回も繰りかえすと徐々に四つの衛星の木星の回りを巡る周期が 分かって来ます。そしてその軌道の半径も分かって来ます。

図2は、四つの衛星の公転半径の三乗を横軸にとり、周期の二乗を縦軸にとった グラフです。四つの衛星のデータが一直線に並んでいます。これが美しい天体 の運動の法則である「ケプラーの法則」です。太陽を巡る水星、金星、地球、 火星、木星、土星、天王星、海王星も同様に一直線に並びます。そして、太陽を 巡る全ての天体がこの直線の上に並びます。自然の美しさを感じる瞬間です。



図1 木星の回りを巡る衛星の運動(佐々木宏子さんのスケッチから)
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図1 木星の衛星に関するケプラーの法則
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