夕方の西のそらに注目


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季節はもう冬というのに星座の世界ではまだ夏のなごりが見えています。 22日の冬至を目の前にして、日暮れも早くて、夕方5時半ころはもう真っ暗です。 図1をごらんください。ちょうど見やすい高さに、明るい星がふたつ、ほぼ水平に ならんでいます。非常に目立つ水平な星の並びです。 左側が「ひこぼし」(わし座のアルタイル)、右側が「おりひめ」 (こと座のベガ)です。 おりひめからほぼまっすぐ上に視線をあげると、はくちょう座のデネブ に至り、夏の大三角ができあがります。

はくちょう座は北十字とも呼ばれますが、もう少し時間がたって、 午後8時頃になるとちょうと十字架が地平線につきささった様に見えます。

日没から時間があまり経過しないうちであれば、ひこぼしーおりひめライン からだいぶ地平線に近い南側に明るい宵の明星(金星)を見つけてください(図1)。 月は今、新月に近いのですが、12月27日には、この金星と細い二日月が並ぶので ぜひそのとき御覧ください。

金星は厚い雲におおわれているので、望遠鏡でいくら拡大して見ても 金星表面のクレーターや山や谷は見ることができません。 そこで活躍するのがレーダーです。レーダーを 使うと金星までの距離だけでなく起伏まで測定できます。そうやって得られた 地形図が図2です。色は地図と同じように低地が青、高地が茶色、中間のところが 緑色に対応します。金星には大きなクレーターはありますが、小さなクレーターは ありません。大気が分厚いので小さい隕石は燃えつきてしまうからと考えられています。

図1 12月上旬から中旬の日没後の西の空
(アストロアーツ製ステラーナビゲータを用いて作図)
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図1のパワーポイント
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図2 金星のレーダー画像(NASA提供)
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