星から銀河の世界へ

前々回にお約束しましたように、太陽系から50万光年ほど 離れるとどのような世界が見えるかという疑問にお答えし ましょう。

板状に分布した星々を上から見たのが図1です。台風の雲 の写真のように渦巻いた様子がみえます。雲のように見えま すがこれはたくさんの星です。横から見ると、星の集まり は板状ですので、これは円盤状と言うのが良いと思います。(図2) この円盤には約2千億個の星が含まれています。この星の 大集団を銀河と呼びます。銀河には、前々回紹介した「ば ら星雲」のようなきれいな星雲や前回紹介した「すばる」 のような星団が含まれています。たくさんの星々とたくさ んの星雲、たくさんの星団のごった煮状態になったものが 銀河です。

銀河を横から見た図では中央が暗くなっていて、ちょうど どら焼きの「あんこ」のようなものが見えます。これは温度の低い 塵をふくんだガスが「あんこ」の部分に集まっていて、 星の光を吸収するので、そこが暗くなっているものです。

宇宙には銀河は大小さまざまたくさん存在します。 広大な宇宙空間にぽっかり浮かんだ銀河ですが、実際にはそれほど 静かな存在ではありません。銀河同士は互いに衝突しますし、 小さい銀河が大きい銀河に飲み込まれたり、といったことも起こります。 そういった激しい変化をしてきて現在にいたっているのです。

図1 わたしたちの住む銀河 (円盤上面から見た想像図)
(国立天文台 4D2Uプロジェクトmitaka を用いて作成)
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図2 わたしたちの住む銀河 (円盤側面から見た想像図)
(国立天文台 4D2Uプロジェクトmitaka を用いて作成)
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図2 セイファートの六つ子とよばれる銀河の集まり(実際には4つの銀河 が相互に絡み合った運動をしている。ひとつはたまたま重なった遠方の銀河、 もうひとつのかたまりは銀河の衝突で飛び出した星の集団と思われる。) (NASA提供)