光の筋(causitic)


グラスに光がキラキラきれいに輝くと、ちょっといっぱいやりたくなります。 図1をご覧ください。ワイングラスに入った水に、太陽の光が屈折してきれいな模様を 作り出しています。 みなさんも似たような光景をご覧になったことがあると思います。 光の筋が幾重にも重なって、たくさん重なったところほど明るく見えます。

レンズを通った光なら一点に光が集まるのですが、このような自然の中の光の屈折では いろんな形に光の筋が集まってかえってきれいですね。

このように光線が重なってできる筋を光学ではコースティック(caustic)と呼びます。 幾何学では包絡線ともいいます。

これが宇宙で起きたらどうるでしょう。図1の赤い線上を地球が動いていくと 地球でどんな光がみえるかというと、まず、aからbのあたりで光が強くなり、その後、 突然 光が弱くなります。bからcまでは暗く、cで突然明るくなりdに向かって緩やかに暗くなります。

実はこの現象が実際にパルサーという天体からの光で起こっています。 図2にあるかに星雲の中心天体からくるガンマ線という光は、図3のような明るさの 変化をします。まさに予想通りの変化になっているとおもいませんか。

実際のパルサーは回転しているので、図1では地球が動かず、 グラクの光がクルクル回転します。

このように同じ現象が、宇宙で起こったり机の上のワイングラスで 起こったりするのは、 私たちが同じひとつの自然の中に住んでいるんだよ、 ということをつたえてくれているんだと感じます。


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図1 ワイングラスの光
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図2 かにパルサーがある星雲(M1) (提供 NASA)
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図3 かにパルサーからの光の時間的変化
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fig1,fig3のパワーポイント
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