立秋


私たちは変化するものに興味を持ちます。経済ではGDT(国民総生産)そのものよりもその 増加率の方が話題になります。 景気で言うと底を打ったというのは、景気が下降から上昇に転じるとして良いことととらえます。 同様のことが太陽の高さについても言えそうです。 太陽の高さは冬至の日にもっとも低くなりますので冬至は寒くつらい日ととらえるかというとそうでなくて、 変化に注目して、太陽の高さが減少から増加に転ずる日として、これは良い日だと冬至をとらえます。 冬至は太陽の復活祭として世界中でお祭りが行なわれています。

気温についても上昇から下降に転じる日が大切です。 8月上旬はもっとも気温が高く、つらい日ですがこれを嫌な日々ととらえますか。 気象庁が発表している過去30年間の一日の最高気温を日づけ毎に調べてみました。 すると、もっとも暑くなるのは 8月1日から7日ころであることがわかります(図1)。 8月8日ころから減少に転じます。

太陽の動きを基準に作られた「太陽歴」の考えを用いて一年を二十四の節に分けて季節の変化を追いかけることを私達は むかしから行なって来ました。 気温の変化と暦を比較してみると、気温がちょうどピークを過ぎ、減少に転じるところに立秋が 割り当てられている事がわかります。

春分から測って、太陽が星座の中を135度回った日を立秋と言う「節」の入りの日と定め、 その日から約15日間が立秋になります。(節の入りの日を立秋と言う場合もあります。) 今年は8月7日が節の入りの日で、24日が処暑の入りの日ですので、その前、23日までが立秋となります。 立秋に入ればどんなに暑くても「残暑」という言葉が使われるというのも素敵ですね。

星座もめぐって、東の空から秋の星座が昇ってきています。 この話しはまたあとにしておいて、 8月6日に火星に着陸した探査機キュリオシティの事が気になるので、 最後に火星の見つけ方を説明します。 実は、日没後西の空に、火星と土星とおとめ座の一等星スピカが並んでいて見つけやすいのでチャンスなのです。 図2を参考にして火星を見つけてみてください。

| もくじ に戻る|


画像をクリック(拡大)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/226-fig1.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/226-fig1.ppt
図1 夏の最高気温の変化(山形市)

画像をクリック(拡大)
図2  火星の見つけ方(2012年8月15日ころ、日が沈んで暗くなった時刻)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/226-fig2.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/226-fig2.ppt