現代中国の七夕


8月24日は旧暦の七夕でした。ちょうどこの週は、天文学者の国連にあたる国際天文学連合の 総会が中国の北京で行われておりました。 私もこれに出席して、七夕の夜は北京におりました。 正月をはじめ、いまでも行事は旧暦で祝うことが多い中国では七夕をどう過ごすのでしょうか。

北京に着くと直ぐに図1,2 のようなポスターが目に入り、 七夕は現代中国でも重要な行事なんだと感じさせてくれます。 町のあちこちに「純愛七夕」「浪漫七夕」といった文字が氾濫し、 どうしても気になってしまいいろんな人に「七夕」の意義を聞いてみたので報告します。

牽牛、織女の話はもともと中国のものです。 それが日本に伝わったものです。 一年に一度、七月七日(七夕の日)に牽牛と織女は出会うことが許されるという話は 現代中国でもちゃんと語り継がれており、ほとんどの人が知っています。

現代中国で七夕とはどんな日か一言で教えてくれと請求したころ、返って来た返事は、 「西洋のバレンタインデーみたいなもんだよ」とか「ラバーズデイ(愛する人たちの日) ね」というものでした。 つまり、牽牛・織女よろしく男女のカップルがこの日はデートする、一緒に食事する、映画を見に行くといった ことのようです。この日にお目当ての人にデートのお誘いをするというのが、 一年に一度、牽牛・織女が出会うという話に重なっているわけです。 この日に恋人にプレゼントする人も多いようです。

若い人のみのイベントなのか聞いたところ、 それは全くなく、老カップルもオーケーということで私も安心しました。

笹に願い事を書いた短冊を吊るす話は知られておらず、それって日本の風習だよねという返事が返ってきました。 古くは織女に習って機織りなど細かな手仕事の上達を、この日に願うという話は一部の人は知っていました。 これは古い中国の風習としてわずかに記憶に残っているだけのようでした。


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