秋の星座の始まりと周極星


夕日が沈んで7時すぎの夜空を眺めると、 頭上から西側には夏の大三角が見えています。 夜空にも残暑がありました。 でも、東の空には秋の星座が昇って来ていますので鑑賞しましょう。

東に向かって左手(北東方向)にカシオペヤ座が昇って来ています(図1)。 Wの形をしていて見つけやすいですが左端の星はややくらいので注意してみつけて下さい。 Wの形は、左上の少し離れた星と組み合わせて「いかり星」という地方もあります。 また、上下をひっくりかえしてみて、「やまがた星」ということもあります。 山形県の星に指定して欲しいような名前ですね。

真東には秋の四辺形がでています。こちらも非常に見つけやすいので探してみてください。 右下の星がやや暗いのでご注意下さい。 他の秋の星座を探すときに出発点になるかたちです。 秋の四辺形はペガスス座 (天馬)の上半身の部分にあたります。

先ほど見つけた「いかり」の根元にあたる星はケフェウス座の「エライ」という名前の星です。 このケフェウスとカシオペヤは古代エチオピアの国王と王妃をかたどった星座と いわれています。 カシオペアはその自己顕示欲と毒舌のため災いをまねき、 とうとう娘のアンドロメダをいけにえに捧げることになりますが、 星座なったときに、決して沈むことを許されずいつも天井をくるくる 回る罰を与えられたとされます。

星座は天の北極を中心に時計とは逆回りに回っています(図2)が、 山形(緯度38度くらい)から見ると、 天空の緯度で52度くらいより天の北極に近い星は、地平線に沈むことがありません。 このような星を周極星と呼びます。カシオペヤもそうですが他にどんな星が沈むことがないか図2で 探してみて下さい。


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原図
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図1 9月中旬 夜7時から8時頃の東の空(Stellariumを用いて作図)
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図2 周極星(Stellariumを用いて作図)。
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