惑星状星雲ギャラリー


図1は生物の細胞の顕微鏡写真でしょうか。今話題のiPS細胞の変形したものかしら、と 思いたくなります。あるいは、クラゲの頭の部分でしょうか。 科学のいろんな分野の写真が宇宙の写真ととても良く似ていてびっくりすることがよくあります。 これも自然の不思議のひとつと言えそうです。

図1はもちろん細胞ではなく、惑星状星雲とよばれるものです。 宇宙にはたくさんの惑星状星雲がありますが、そのなかの四つです。

太陽もそうですが、 太陽の質量の約8倍以下の質量を持った星(もちろん太陽自身もそうですが)は その一生の最後の方で、ぶくぶくと太り巨星になります。メタボ星ですね。 そして結果としてこの惑星状星雲を作ります。

太陽の中心では水素がヘリウムに変わる核融合反応が起きていますが、 やがて中心の水素は全てヘリウムに変化してしまいます。 するとヘリウムのガスが収縮を始め、中心は次の核融合反応で、 炭素や酸素をつくっていきます。

中心でそのような核融合を起こしている星の外側はブクブクと太り出し、 やがて溶け出すようにして星から離れ、写真で見るような星雲になります。

むかし、これを発見した人が、望遠鏡の性能があまりよくなかったこともあり、 まるで惑星の様に見えたので「惑星状星雲」と言う名前がつけられました。 でも、惑星とは関係なく、年取った星の外層が膨潤して広がってできた 星雲です。

中心部は炭素や酸素原子でできた「白色わい星」とよばれる星になります。 この星は非常に高温で、その強い光のため強い風を外に吹き出します。 それと星雲がぶつかると衝撃波ができてX線をだすようになります。

図で紫色をつけたのはチャンドラX線望遠鏡でとらえた光(X線)です。 それ以外の、赤、緑、青の色はハッブル望遠鏡で可視光線を示しています。 宇宙空間に浮かぶ色とりどりの泡か宝石のような惑星状星雲のうっとりする 美しさをお楽しみ下さい。


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図1 
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http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/235-fig1.jpg