十三夜のお月見


10月27日はお月見の日です。 旧暦の九月十三日で、八月十五日の中秋の名月の次のお月見です。 後の月とか、栗名月とか豆名月とかよばれ月を楽しむ日とされています。

この日は、午後5時ころ日が沈みます。6時頃はもう真っ暗ですので、 東の山の端から出て来た大きなお月様を拝む事にいたしましょう。 私たちが乗った地球と言う星のすぐそば、新幹線で80日ほどで行ける所に月がぼっかりと浮かんでいます。 広い広い宇宙に月と地球だけは近く寄り添って生きていて、お〜い、と声をかけたくなります。

お月見は古くからある習慣だそうですが、どれくらい古いのか興味があったので、最も古い日本の 物語とされる竹取物語を読み返してみました。

すると、かぐや姫は七月十五日の満月を見て、悲しそうにしたとあります。 皆が心配すると、次の十五日、つまり、中秋の名月である八月十五日の満月の日に月の世界へ帰らなくてはならないと 打ち明けます。 こんなに昔からこの秋の満月は美しい月として重要視されていたことが伺えます。

かぐや姫自身も、育てた翁、媼、他のたくさんの人々も別れたくないと悲しみにくれますが、 結局、かぐや姫は月に帰っていきます。 後の月は、愛しい人を惜しんでの月見になったのでしょうか。

後の月は十五夜でなくて十三夜ですので、満月でなくて西側(左側)が少し欠けています。 欠けた月ではありますが、図1をご覧ください、中秋の名月も後の月も星座に対する位置 関係はほぼ同じになっています。 これが両方とも十五やですと、図の右端に月が移動し、星との位置関係がずれてしまいます。 そこまで気を使っているのですね。

同じころ、月にいるウサギさんは地球見をしているのでしょうか(図2)。


| もくじ に戻る|



図1  お月見の時の月の星座上の位置
画像をクリック(拡大)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/236-fig1.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/236-fig1.pptx

図2  月からの地球見(提供:JAXA)
画像をクリック(拡大)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/236-fig2.jpg