木星を基準に冬の星座を探そう


日がくれたら東の空に注目しましょう。 午後6時にもなると東の空に異常に明るい星が昇って来ています。 これは誰でもおやっと思う光景です。 見逃すことは無いでしょう。

このとても明るい星は木星です。木星の力を借りて冬の星座を 探してみましょう。

木星のすぐ右(南)側に明るい星がひとつ、左(北)側少しはなれて明るい星がひとつ、 合わせると、 木星を中心に明るい星が3個セットになって横に並んで見えます(図)。 木星の右側の星が少しオレンジ色がかって見えると思います。 これはおうし座のアルデバランです。 左側の星がぎょしゃ座のカペラです。

アルデバランの周りの星の並びに注目してください。図1の○でかこったなかに横倒しになったVの字の 形が見つかると思います。日本では背中に荷物をしょう道具の名前から「もっこ星」、 あるいは、お寺の鐘のかたちから「つりがね星」と呼んでいたようです。 西洋ではこれは雄牛の顔の部分になり、左の方向に二本の角が図のようにのびています。

左のカペラは小さな三角形と大きな五角形を作っています(図1)。

アルデバランから目を上に移すと5、6個の星がごちゃっと集まっている 「すばる」にたどり着きます。これはプレヤデス星団です。 非常に若い星たちの集まりです。ただし、若いといっても数千万年の年齢です。 太陽が50億年ですのでそれよりはずっと若いですね。

すばるから左上にむかってなだらかな曲線にそって星が並んでいます。 図1で、さ・し・す、とつないですばるで終わる曲線です。 この曲線に名前はついていませんが、星座ではペルセウス座になります。

これらの星々は初めて星座さがしをするだれでも必ず見つけられるので図1に 従って、木星の手をかりながらさがしてみてください。 曇った場合のためにペルセウスの大曲線の写真(図2)を 添えることにしましたのでお楽しみください。


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図1 12月上旬午後6時頃の東の空(ステラリウムを用いて作図)
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図2 ペルセウス座付近(NASA提供)
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