生命は宇宙からやってきた?


地球が誕生してから約46億年が経過し、現在、私たちヒトが誕生し文明を 持つに至っています。 よく言われる事ですが、この46億年の歴史を1年に例えてみると、1月1日 に地球が誕生し、大晦日の真夜中、午後11時59分59秒くらい、一年の 最後の一秒ほどが、現代のように科学文明を持った時間だといいます。

この時間の流れを図1に示してみました。46億年の歴史の中で人類の出現は ほんの最後の瞬間ですし、ほ乳類の誕生ですら、2億年ほど前の事で、 図では最後の方です。このことを考えると生き物の誕生は46億年の地球の歴史の なかではつい最近の出来事のように感じてしまいます。

とろが、最近の研究に依ると、地球誕生初期のころに隕石が大量に降り注ぎましたが、 そのとても生き物が住めない時代(月のクレーターができたころ)からわずが2億年で 生命が誕生したといいます。図では、右の端、いまから約38億年前のことです。 地球の歴史ではもう最初の方で生命が誕生しているらしいのです。 意外と早いと思いませんか。

生物の誕生の歴史をたどると、 地球誕生のころ 二酸化炭素やアンモニアなどが化学反応によりアミノ酸、 そしてタンパク質を作り、細胞をつくり、RNAやDNAを作り、と進んだと考えられています。 なんで、星空案内にこんな生命の話がとお思いかもしれませんね。

実は、初期のアミノ酸を作る反応は起こる事は確かですが、確率や量の面で 生命誕生に結びつけるにはけっこう難しいという話になっているそうで、 だったら、宇宙から生命の種となる物質がやってきたの でないか、という可能性が否定ができないというのです。

図2は星が誕生している濃いガス雲(星雲)ですが、黒い雲の部分には塵や低温のガスがあります。 電波望遠鏡によってここにたくさんの有機物が見つかっています。 星雲を模した地上実験ではタンパク質前駆物質が作られていて、 もしそのようなものが原始の海に降ってくればタンパク質に変わります。 太陽系のできた頃の塵の中に有機物も見つかっています。 それらがフワフワと地球に降って来て生命の元になったのでは、という気もしてくるのです。 星雲は私たちの故郷かもしれませんね。








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図1
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http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/246-fig.pptx 図2 カリーナ星雲(距離7500光年)(提供:NASA)
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