星占い


星占いはいつもとても人気があります。 たとえば、源氏物語をよむと、光源氏が幼い頃、この若君は将来有望でないか ということになり、高麗人に人相をみてもらったらやはりそうだということになり、 でも心配だからと、今度は星占い師にお伺いをたててみるとという下りがあります。 星占い師もこの子はすごいというので、納得して、この子に「源氏」の 名を与えることになりました。 この星占いは中国起源とおもわれますが、 現代の日本で人気があるのは西洋のもので、起源はメソポタミアです。 科学的根拠は無いにも関わらず、 とにかく、人類誕生以来、私たちは星占いをやって来たようです。

図1は本日午後8時頃の夜空ですが、真南に木星がとても明るく「おうし座」に 輝いています。左下の一等星はアルデバランです。さらに左下に進むとオリオン座 が見つかります。実際の空で見つけてみましょう。

私の誕生日は5月6日でおうし座なので、おうし座に木星が来ているということはもしかして なにかいいことあるかも、と思ってしまいます。星座占いの本を見ると、「木星は幸運を もたらす!」などと書いてあるからです。でもこれは素人のあさはかな考えのようです。 まず星占いでは誕生した時の太陽、月、惑星の位置がその人の基本的な性質を決めます。 なので、私の生まれたときの木星の位置を考えないといけないそうです。 でももっと重要なことがあります。

図2を見てください。うお座、おひつじ座、おうし座と星座が並んでいて、今、木星が おうし座に居います。図1と同じものを方向を変えて描いたものです。そこに、星占いで使う星座を重ねてみました。 春分点から30度づつ十二星座(十二宮)を配置するというルールですので、図2のピンクの星座が 占いに使う星座になります。ずれているのがわかりますか。区別するために星占いの星座名は 漢字にしました。なので星占い的には木星は双子座に現在居ます。

というわけで現代の星座と星占いの十二宮は異なっているよ、ということが最大の間違いです。 でも、牡牛座生まれの私は、今、おうし座に木星がいるから、きっと幸運に恵まれる、 と勝手に考えて、がんばって幸運をものに出来ればそれは良いことですよね。


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図の総合.pptx
図1 1月16日午後8時頃の南の空(ステラリウムを用いて作図)
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図2 現代の星座と星占いの星座(ステラナビゲータを利用して作図)
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