2008年夜空の見どころ

さて、年のはじめですので一年をざっと見渡して美しい
星空を楽しめるイベントがないか探してみました。

まずは明るい星となれば惑星たちです。現在、夜の9時
から10時頃頭上に輝いている赤い火星。そして同じころ
東の空から昇って来る明るい土星、このふたつの惑星
は6月ころまで楽しめます。そして、このふたつが夕方の
西の空に消えてゆくころ、7月6日の午後8時ころには図1の
ように、土星、火星、三日月がならんできれいにみえます。
しし座のレグルスもいっしょに並びます。だいぶ先ですが、
12月1日の夕方、木星と金星と三日月がやはりよりそうよ
うに輝きます。木星、金星は、土星、火星よりも明るいの
でこちらのほうがずっと見ごたえがあります。

そして流れ星がたくさん流れる日があります。8月12日の夜
9時ころから明け方にかけてペルセウス座流星群がみられます。
ちょうど夏休みなのでぜひ御覧ください。

こんどは、小さな双眼鏡を使うならこんなイベントもあ
ります。星団が月によって隠される現象です。星団とい
うのは星がごちゃごちゃっと数十個、数百個とあつまっ
たもののことです。3月17日には「かに座」にあるプレセ
ペとよばれる星団が月によって隠されます(図2参照)。
また、10月17日には有名な星団「すばる」が月によって
隠されます。もし、北海道や九州など遠いところにお友達
が居るならば、携帯電話をかけながらいっしょに観察しま
しょう。月に星が隠されるタイミングが観測地によって
ずれることがわかります。昔の人もこのずれに気がつい
ていて、このことから、星の世界よりも月の世界のほ
うがずっと地球に近いことを知っていました。
月までの距離はおよそ38万キロメートルです。
日本の探査船「かぐや」が月まで行って今ちょうど調査し
ているところであることは新聞のニュースなどで御存じで
ないかと思います。

以上、カレンダーにでも是非メモをしておいて、今年も美
しい夜空をお楽しみください。

図1 3月17日の午後8時ころの西の空。
三日月の上に並んだ、土星、火星、レグルスがみられます。
いずれも一等星よりやや暗いので見にくいかもしれませんが、
じっくり味わっていただきたいとおもいます。
(アストロアーツ ステラナビゲータを使用して作図)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/25-fig1.ppt



図2 3月17日 かに座のプレセペ星団が月によって隠されます。
四つの星に囲まれたなかにプレセペ星団があり、そこに月が突っ込んできます。
確かに月が星と星の間を動いているのだ、ということを実感できます。
夜の8時ころから深夜1時頃までの間にみられます。
(アストロアーツ ステラナビゲータを使用して作図)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/25-fig2.ppt