秋の星座探し2

前々回の秋の星座探しはうまく行きましたか。 今日はその続きをやってみましょう。 今週ならまだ月が邪魔しませんからチャンスです。


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図1 11月6日午後7時30分頃の南の夜空

南の空、やや低い位置に注目します。 図1は、本日午後7時30分ころの夜空です。 真南の方向と、図では赤い+で示した頭上をまず意識します。 頭上近くに前回勉強した秋の四辺形の1、2、3、4の星が見つかるはずです。 ただし、4の星は他より暗いのでうまく見えないかもしれないというつもりで探すと うまくいきます。

頭上と星2、星3を下にのばしていくと明るい星aにぶつかります。 同じように、 星1、星4を下にのばしていくとまた明るい星bにぶつかります。 aは一等星なので明るく、bは二等星なのでやや暗く見えます。 しかし、まわりに明るい星が他に無いので、秋の四辺形が分からなくて、 いきなり南の空を見てもaとbの星は見つかると思います。

星aは「みなみのうお座」のフォーマルハウトです。 「秋のひとつぼし」というしゃれた呼び名がありますので、 こちらで覚えてはどうでしょう。 星bは「くじら座」の星で、デネブカイトスと呼ばれます。 アラビア語で鯨の尾という意味です。 くじら座の心臓のcと示された位置にミラという名前の星がありますが、 本当に心臓のように明るさが脈動していて、3等星くらい明るくなったり10等星くらいに暗くなったりします。 この鼓動の周期は約332日ほどで人よりはずいぶんとゆっくりしています。 現在は暗くて残念ながら見えません。 (来年の初夏の頃明るくなるでしょう。)

街の明かりのある中で見つけやすいのはこの二つですが、 暗い空をお持ちのみなさまは、図を頼りに、やぎ座、 みずがめ座、うお座を見つけることが出来ます。


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図2 最近のフォーマルハウトの惑星の位置(NASA提供)

フォーマルハウト(星a)には惑星があって、直接写真に撮られたことは 2008年に速報としてこのコーナーで紹介しましたが、図2が最新の観測結果で、 それ以来順調に軌道が追跡されています。 その結果、この惑星は約2000年で公転していることや、 フォーマルハウトからの距離が近い時と遠い時では約6倍も違うという長円軌道であることが 分かってきました。 生き物が住むには適さない惑星と思われます。


references
図1 11月6日午後7時30分頃の南の夜空
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/289-fig1.jpg
図2 最近のフォーマルハウトの惑星の位置(NASA提供)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/289-fig3.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/289-fig.pptx



参考: