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図1 階段と音階の比較

階段は一段登るごとに約20cmづつ高くなっていきます。 一方、音の高さは、ドの音、高いドの音、もう一段高いドの音と 高さが上がっていくと振動数が、2倍、4倍になります。 図1を見てください。 階段のように、一段階あがるごとに一定数を足していく方式と、 音階のように一段階上がることに一定数をかけてゆく方式の二種類の高低の測り方があることに気がつきます。 専門家は、階段方式を線形目盛、 音階方式を対数目盛りと呼びます。

両者の違いは、図にあるように、 同じ4段の差があったとして、対数目盛りの方が線形目盛にくらべて値が大きく変化することです。


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図1 対数目盛りのいろいろ

生き物の感覚は非常に大きな範囲をカバーしなくてはいけません。 目は、夜の暗闇でのわずかな光と真夏の太陽光の両方を受けとらなければいけません。 耳は、非常に低音から高音、 全身は、人の気配のような小さな振動からジェットコースターに乗った時のような大きな振動 をしっかり受け止めます。 厳しい自然環境の中で生きて来た生物の感覚は広い範囲をカバーできる対数目盛りでできています。

図2に例で示しましょう。 たとえば、ピアノの鍵盤では一段階(半音)上がるたびに振動数が約1.05946倍づつ増え、 12段階でちょうど二倍の振動、つまり、ドに対して高い方のドになります。 星の明るさでは一等級下がるごとに明るさが約2.5倍明るくなり、5段階でちょうど100倍の光量になります。 地震では、マグニチュードが1上がるたびに地震のエネルギーが約32倍大きくなり、マグニチュードが2上昇すると エネルギーが1000倍になります。

星座のなかで目立つ星はだいたい1等の明るさをもちますが、 奇麗な空で目で見える限界の暗い星は6等です。 この間の等級差は5等級ですので、両者の光量は100倍違います。 以上のルールを用いると、 1等星より約2.5倍の光量を持つ星は0等星、そのさらに2.5倍の光量があるとマイナス1等星になります。 太陽はマイナス27等星です。一等星よりも何倍の光量があるでしょう。 ちょっとお昼休みにでも計算してみてください。


references
図1 階段と音階の比較
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/306-fig1.jpg
図1 対数目盛りのいろいろ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/306-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/306-fig.pptx



参考: