春分の日

20日は春分の日で祝日でした。春のお彼岸も終わり、
ずんずん暖かくなってゆきます。ところで、祝日は「国
民の祝日に関する法律」と言うのがあって定められてい
ます。4月29日は昭和の日というように月日が条文に指
定されているのが普通ですが、春分の日と秋分の日はそ
れぞれ春分日、秋分日としか書いてなくて具体的な月日
の指定はありません。前年の2月に国立天文台が公表する
暦象年表にもとづいて官報に掲載することによって正式
に決まります。つまり、この日は天文学的に太陽が天の
赤道と呼ばれる位置に来ることをもって決定されます。
今年は20日ですが21日のこともありますね。

太陽や月や星はみんな東から出て西に沈みます。これは
地球がクルクル自転しているせいです。この運動の中心
は北極星の近くにある天の北極とよばれる場所にありま
す。図を参照下さい。図の右下にあるコマの軸と円盤の
関係をよく見て下さい。天の北極と春分の日の太陽の動
きがちょうどコマの軸と円盤の関係になるのです。この
ときが春分の日です。同じ状態が秋分の日にも起こりま
す。天の北極の方向がまさにクルクル回る地球の自転の
軸の方向になります。

この日以外の太陽の運動も図に書いてあります。より高
い位置を太陽が運行するするときは日が高くのぼり太陽
のエネルギーがたくさん降り注ぎ、季節として夏になり
ます。より低い位置に太陽が運行するときは、光が斜め
に入りますので地面がうける光のエネルギーが減少し、
季節としては冬になります。ちょうど中間の位置になる
のが春分と秋分です。この中道というのが仏教では大事
とされます。また、太陽の沈む方向が真西ですので、西
方浄土への案内ともなるということで、春分の日の前3日
と後3日を加えて合計7日間が彼岸として仏教上の行事が
行われます。


図1
春分の日の太陽の動き