きりん座

きりん座を知っていますか、というと、 南半球から見える星座ですか、とか、 そんな星座あったんですか、という答えが返ってきます。 日本からは季節に関係なく一年中見えている星座ですよ、 というとびっくりしてしまうのでないでしょうか。


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図1 11月下旬の午後7時頃の北の空

図1は11月下旬、午後7時頃の夜空です。 真北の中くらいの高さのところに北極星が見えていて、 その左下に昔(紀元前1000年頃)北極星だった星があり、 あたりがこぐま座です。 また、北東の空に昇って来ているカペラはおりひめ星と同じくらい明るい星で、 私は冬のおりひめ星と言っています。この星はすぐにみつかります。 カペラのあたりがぎょしゃ座です。ぎょしゃ(御者)とは馬車の運転手です。 きりん座は、北極星とカペラの間に挟まれた位置にあります。 暗い星ばかりで、むりやりこじつければキリンに見えなくはないですが、 なかなかすぐにはわかりません。

私たちの知っている星座の多くは古代オリエントで生まれたものです。 つまり、2000年以上の歴史をもっています。 しかし、きりん座は1624年にバルチウスという人が考案したと伝えられています。 こぐま、おおくま、ぎょしゃ、ペルセウス、カシオペアなど古代からある 名だたる星座に囲まれた目立たない広い空間があったのでなんとなく寂しかったのでしょう。 最近になって付け加えられた星座です。

きりんは首が長い動物で、ビールの名前だったり中国の伝説に登場する麒麟(きりん)では ありません。 高い木の上の葉っぱを食べるのに有利なように進化して、首が長くなったと言われます。 星まで食べたくなって、首をのばしたら、天に昇って星座になっちゃったのでしょう。


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図2 きりん座の動き

図2は、 きりん座が夜7時ころ見える場所をしめしていて、 北極星のまわりをくるくる回っていることがわかります。 きりん座に明るい星が一つでもあれば季節を示すカレンダーになったのにな、 とちょっと残念な気がしませんか。


references
図1 11月下旬の午後7時頃の北の空
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/342-fig1.jpg
図2 きりん座の動き
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/342-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/342-fig.pptx



参考: