ぶよぶよの星(密度)

買い物をする時、私はいつもグラム単価を考えます。 不思議なことですが、 1グラム1円がちょうどよい目安です。 500グラムのレギュラーコーヒー498円。グラムあたり1円でまあいいか。 板チョコ50グラム98円だと、だいたいグラムあたり2円はちょっと高いけど、 自分を許して買ってしまいます(図1)。 100グラム600円の牛肉はグラム6円で高すぎる。 グラム10円以上は超高級です。 どんな種類のものもグラム単価でだいたい判断できるのです。


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図1 密度の比較(チョコレート、太陽、ベテルギウス)

宇宙でグラム単価にあたる指標を探すとすれば、 一立方センチメートルあたりのグラム数(密度)でしょう。 たとえば、一立方センチメートルの水は1グラムです。 岩石は3グラムくらいですこし重い。 鉄は7グラムでかなり重いですね。 空気は軽くて1ミリグラムくらいです。

さて地球全体ではどうでしょう。 答えは、約5グラムです。 だいたい予想通りではないでしょうか。

太陽はどうでしょう。 太陽は1.4グラムでチョコレートと同じくらいです。 太陽は巨大ですからグラム数(質量)も百億グラムの百億倍のそのまた百億倍という とても大きな数ですが、一立方センチメートルあたりのグラム数は平凡な値です。

他の星はどうでしょう。 2月中旬の午後8時頃の夜空を図2は示しています。 ちょうど冬の大三角が見やすいので見つけてみましょう。 そのなかの、シリウスという一番明るい星は、一立方センチメートルあたり0.5グラムです。 あんなに明るいのに意外と軽い。 つぎに、赤い星であるベテルギウスはどうでしょう。 図鑑などで読んだことあるかもしれませんが、 この星は巨星とよばれ、半径が太陽の数百倍もあります。 体積は太陽の一億倍ちかくあります。 重さは太陽の20倍程度でしょう。 すると、一立方センチメートルあたり1マイクログラム以下ということになります。 空気よりもふわふわした気体でできていることがわかります。 明るい星たちにはふわふわした軽いイメージを持っていると良いと思います。 みなさんのご期待に沿っているのでしょうか。


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図1 2月中旬午後8時頃の南の夜空(ステラリウムを用いて作成)

references
図1 密度の比較(チョコレート、太陽、ベテルギウス)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/352-fig1.jpg
図1 2月中旬午後8時頃の南の夜空(ステラリウムを用いて作成)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/352-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/352-fig.pptx



参考: