太陽系の音階

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図1 ちょうこくしつ座R星の電波画像(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)) (ESO:ヨーロッパ南天天文台、NAOJ:国立天文台、NRAO:アメリカ国立電波天文台)

宇宙が音楽を創るというお話を以前にしましたが、 今日は新しい作品を紹介しましょう。 それは、 南米チリにあるアルマ望遠鏡が撮影した図1のような映像を素材にして作曲されました。 この映像は「ちょうこくしつ座R星」の回りに発見された不思議な渦巻きと球体です。 年老いた星の回りにある別の星が融けるうちに、このようになったのでないかと言われています。

この画像を円盤オルゴールの板にみたてて、 画像に従って穴を開けて、オルゴールの曲として作曲されました。 アルマ・ニュジック・ボックスのサイト(http://alma.mtk.nao.ac.jp/musicbox/)(国立天文台提供) で誰でも聞くことが出来ます。 宇宙のイメージがわいてくる不思議な曲ができあがりました。


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表1 惑星と音階の対応表

曲を聴くうちに、 円盤形のオルゴールは太陽系の回りを回る惑星のようでもあり、 太陽から離れるにしたがって高音になるように対応させたらと思いました。 そこで、表1のように太陽系の惑星と音階を対応づけます。 音階は作曲家ドビッシーによって用いられた全音音階を使います。 この音階はハ長調やト長調のように調性をもたず、無限に続く癖のない音階です。

水星に対応する音は無限に低い音、宇宙の底から聞こえてくる音とします。 金星に対応する音が基準音のドと対応し、地球に対応する音はレとしています。 あとは順次高くなっていきます(表1)。


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図2 惑星までの距離と音の振動数の相互関係

ここで驚くべき事実を紹介しましょう。 図2のグラフで、 各惑星の太陽からの距離を横軸にとり、 対応する音の振動数の6乗を縦軸にとると見事な直線になり、 両者は比例していることが分かります。 振動数を6乗するのは6音でオクターブで元のドに戻るからです。 このグラフからわかることは、 (x 音階の振動数に比例した半径で惑星は回っているということです。) このグラフから、音の高さにあわせた半径で惑星は回っているということ がわかります。

惑星の並び方と音階の並び方といいう一見関係なさそうなことが結びつく自然の不思議ですね。


references
図1 ちょうこくしつ座R星の電波画像(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/360-fig1.jpg
表1 惑星と音階の対応表
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/360-fig2.jpg
図2 惑星までの距離と音の振動数の相互関係
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/360-fig3.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/360-fig.pptx



参考: