めずらしい木星の衛星が木星面に集合

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図1 5月27日午後7時30分ころの西の空(ステラリウムを用いて作成)

今日の午後7時30分ごろ西の空の様子を図1に示しました。 まだ、夕焼けが残っていて、日没が遅くなっています。 夏至も間近です。 そんな夕方の空に明るい二つの惑星が集まってきました。 金星と木星です。

小さな望遠鏡でも、また、性能が良ければ双眼鏡でも簡単に見つけられるのは木星の4大衛星です。 木星の回りをくるくる回っている衛星で、 ガリレオが発見しました。 木星に近い方から、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前がついています。 今年はこれらの衛星の軌道面と木星と地球がほぼ同じ一つの面にあるために、 しばしば木星表面に衛星が重なったり、衛星の影が木星の上に落ちたりといった賑やかな姿をみることができます。 図2では、4つの内の3つの衛星が木星と重なって見えています。 図3に何が見えているか説明図を添えました。


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図2 ハッブル宇宙望遠鏡で見た木星と衛星(提供:NASA)

やまがた天文台のような公開天文台がお近くにあるかたは、 大きな望遠鏡で木星の衛星を自分の目で見ていただけたらなと思います。

真空に近い巨大な宇宙空間でもちゃんと影ができるのが面白いですね。 自分の影ができるように、衛星の影が木星表面に出来ています。 木星表面から約70万kmの遥か上空にあるエウロパの影が黒々と写っているのが素敵ですね。 カリストは木星から約200万kmも離れていますがちゃんと影が出来ています。 でもよく見ると、遠いところにある証拠に、影が少しぼやけています。 自分の影がくっきり出来ても、高いところにある電線の影がぼやけて良く見えないのと同じです。 広大な宇宙でも地上でも影の出来る仕組みは同じなのですね。


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図3 図2の説明(小さく扱って、図2と組み合わせる)

図1 5月27日午後7時30分ころの西の空(ステラリウムを用いて作成)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/367-fig1.jpg
図2 ハッブル宇宙望遠鏡で見た木星と衛星(提供:NASA)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/367-fig2.jpg
図3 図2の説明(小さく扱って、図2と組み合わせる)
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パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/367-fig.pptx



参考: