三大厄日・台風の襲来
台風が襲来する確率が高い日、荒れる日、
として昔から恐れられた三大厄日というのがあります。
今のように気象衛星から台風の進路が確認できる時代とは違い、
昔の台風対策は、襲来する確率の高い日を暦に記すという方法しかありませんでした。
そこで指定された厄日は、まず、二百十日、二百二十日。
これは立春の日から数えて210日目と220日目のことを言います。
立春の日は国立天文台が出す暦要項に記載されますので天文学的に決められた日です。

毎年ほぼ決まっていて、
二百十日は9月1日、二百二十日は9月11日です。
今年もこの日です。

第三番目の厄日は八朔といって八月の朔(さく)日です。
旧暦8月1日と言っても同じです。
旧暦を使いますから、現在私たちが使っている太陽暦の上で八朔は移動します。
だいたい、8月下旬から九月中旬あたりでふらふら移動します。
今年は9月13日ですが、
昨年は8月25日でした。

では、実際に台風がやってくる日はどのような確率かというと図1のようになります。
さすが、長い年月のうちに作られた暦だけあってばっちりあっていると言えそうです。

更に、星座の中に大発見をしました。この三大厄日の頃、真夜中に夜空を見上げると
メソポタミア地方(中東)の川の増水・氾濫の時期にあわせて作られた
星座が南のそらに集結しているのです(図2)。
まず、十二星座の中にある水に関係した星座である
やぎ座、みずがめ座、うお座が見えています。
やぎ座はヤギ魚といって上半身がヤギ、下半身が魚の星座です。
さらに、みなみのうお座、くじら座、エリダヌス座も水に関係します。

これらの星座は見つけにくいですが、
目立つ星として日本では昔から「秋のひとつぼし」
と呼ばれているフォーマルハウト、くじら座にあるデネブカイトスがありますので
図2に示しました。
この二つの星をたよりにいくつの星座が見つけられるでしょう。


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図1 過去30年間平均でみた台風の年間接近数と上陸数(提供:気象庁) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/382-fig1.jpg
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図2 9月上旬真夜中の南の夜空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/382-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/382-fig.pptx