第二の地球
夜空に輝く星々のほとんどに惑星が回っていることが分かってきました。
確実に見つかった惑星は今日までに1892個あります。
一つの恒星に複数の惑星が回っている、つまり、
惑星系をなすものは474天体見つかっています。
ここからは、探査の進み具合を勘案して確率計算するのでですが、
結果は「ほとんどすべての恒星には惑星があるだろう」というものです。

その中でも、生物が住める惑星がどのくらいあるのかが人類みんなが知りたいところですね。

中心の恒星に近すぎると惑星表面は高温になりすぎて生命には適当ではありません。
また、遠すぎると水が液体でなく氷になってしまうので、生物として活動できないでしょう。
水が無くても生きていける生物もいるかもしれませんが、とりあえず、
私たちと同類の生命体であれば液体の水は必要と考えられます。

惑星の表面の温度が分かると惑星から放射されるエネルギーを計算できます。
図1には惑星の表面温度と放射されるエネルギーをオレンジ色の曲線で示しました。
放射が続くと惑星は冷えきって氷に包まれてしまいます。
しかし、太陽のような中心天体があると日射としてエネルギーが降り注ぐので暖められます。
降り注ぐエネルギー量、つまり暖める量と放射冷却の量がつりあうところで惑星の温度が
決定されます。
図では、緑の水平線で地球に太陽から来るエネルギーを示しており、
オレンジの曲線と交わった温度を読み取ると約摂氏6度になります。
実際は雲があったりして温室効果があるので、地表面はこれより少し高い温度です。

火星に降り注ぐ太陽エネルギーは図で青い線で、金星に降り注ぐエネルギーはオレンジの線で
示しています。温度を読み取ると、火星はマイナス47度、金星は54度となりいずれも生命には適しません。

このように、中心の星からほどよい距離の領域は温度が適当で液体の水が存在します。
このようなちょうどよい領域をハビタブルゾーン(居住可能領域)とよびます。
この領域内に惑星がみつかれば第二の地球ということになります。


NASAのケインとゲルノが2012年に発表した論文には、
完全にハビタブルゾーンに入っている惑星として15個が掲載されています。
おそらく、今はもっと数が増えているでしょう。
これらのなかに液体の水があるかどうかを直接確認する作業を天文学者は続けています。
人類も頑張ってるって感じがします。
どこかで宇宙人が見ているでしょうか。




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図1 惑星の温度が決定する仕組み http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/386-fig1.jpg
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図2 さまざまな惑星のイメージ図(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/386-fig2.jpg
本文終わり
references http://arxiv.org/pdf/1202.2377v1.pdf The Habitable Zone Gallery \bibitem[Kane \& Gelino(2012)]{2012PASP..124..323K} Kane, S.~R., \& Gelino, D.~M.\ 2012, \pasp, 124, 323 http://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/ パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/386-fig.pptx