地球のまわりの温度
段々寒くなって来て、暖房が欲しくなりました。
暖房して部屋の空気の温度が25度にもなれば暑いくらいかというと、
そう単純ではありません。
窓が閉まっていてもカーテンが無かったり、
壁が薄かったりすると、
すきま風があるわけでもないのに寒く感じたりします。

さて、宇宙の中で、
地球は暑い部屋にいるのでしょうか、寒い部屋にいるのでしょうか。

図1は地表面(平均摂氏15度くらい)から上空、宇宙に向かって、
温度がどのように変化するかを示しています。
飛行機が飛んでいる対流圏の上層から成層圏にかけてマイナス摂氏60度くらいまで寒くなりますが、
それより上層は暖かくなっています。
更に上層に向かって、一旦寒くなりますが、ふたたび温度が上昇します。
図には書ききれませんでしたが、
このあとどんどん上昇して数10万度にも達します。
太陽風に達するからです。

図2をご覧ください。
太陽の回りに見える淡い光、コロナが見えています。
コロナの温度は百万度にも達することが分かっています。
高温のコロナのガスは太陽から四方八方に吹き出し、
広がっていっていきます。
これが太陽風です。

太陽風は太陽系内部を吹き抜け満たします。
太陽風は地球までやってくると少しは冷えますがそれでも数十万度はあります。

こんなに高温だと地球は融けてしまいそうですがそうはなりません。
太陽風はとても希薄で、1立方センチあたり原子が5つくらいしかありません。
なので、40km四方にある太陽風のエネルギーを集めてきても、
コップ一杯の水の温度を一度上昇させるのが精一杯です。
数十万度の太陽風の熱はたいしたことは無いわけです。

一方、太陽からの光の温度は数千度あります。これが地球を暖めます。
しかし、太陽の光が当たっていない夜の地球は宇宙に向かって赤外線をだしてどんどん冷えていきます。
これがうまく釣り合って私たちが生きるのに適温になっています。

地球が冷えることが出来るのは宇宙の光の温度が極低温だからです。
その温度は約マイナス270度です。
このおかげで地球は冷えることができ、
いやなことに、晴れた冬の朝は冷え込みます。






画像をクリック(拡大)

図1 大気温度の高さによる変化 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/391-fig1.jpg
画像をクリック(拡大)

図2 太陽コロナ(提供:国立天文台) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/391-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/391-fig.pptx