古い星座はどれ?
3月6日と7日の二日間、全国の星のソムリエが集まるシンポジウムを企画しました
(星のソムリエは山形大学で創設した星空案内のための資格です)。
のべ190人の星空ファンが集まってくださり、日頃の星空案内活動の様子を発表し合いました。
いまでは、南は沖縄から北は青森まで全国24カ所で資格認定しています。

シポジウムで、星の楽しみや魅力をしみじみ感じた次第です。
星って本当にいいですね。心を広くしてくれます。

空を見上げると、東の空には「おおぐま座」が昇って来ていて春だなと感じます。
おおぐま座はギリシャ神話にでてきますが、
それより古い文献には出て来ません。
そう思って、現在使われている88個の星座が昔の星座とどう繋がるのかをあらためて調べてみました。
星のソムリエの講座では現在の88の星座は、2世紀ごろのプトレマイオスの本に掲載されている星座に新しい星座を加えて出来たと学びます。
図2に星座が歴史的にどこまで追跡できるかをまとめてみました。
88本の水平な線があって、赤い線は新しい星座を示し、
青い線はプトレマイオスの星座に繋がる星座を示しています。
星座の起源はメソポタミアにあると言います。
そこで、メソポタミアの粘土板に刻まれた星座に繋がるものを緑の線で示しました。
粘土板に繋がる星座はわずかに9個です。
更に古く、今からおそらく3000年くらい昔のものと思われる粘土板「新年祭」に出てくる星座を
オレンジの線で示しましたが、
さそり座たったひとつです。
残りの星座はいったいどこから来たのでしょう。

冒頭に出て来た「おおぐま」座はメソポタミアでは荷車と呼ばれていて、熊とは全く関係のない名前がついています。
オリオン座もメソポタミアの文献には出て来ません。
いろいろな地域や時代で作られた星座が混ぜ合わさって現在の88星座が出来ているようです。
しかし、そのすべての起源を知ることは出来ません。






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図1 おおくま座(フラムスチード天球図より)(提供:Linda Hall Library) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/408-fig1.jpg
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図2 88星座の系譜 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/408-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/408-fig.pptx