月山スキー場での星空
8月11日山の日の夜、山形盆地を挟んで二つの名峰、月山と蔵王山で星空案内が実施されました。

蔵王ロープウェイ山頂駅では毎年夏になると星のソムリエによる星空案内が行われています。
この日が蔵王での星空案内の初日になりました
(今年は,週末や祝日を中心に9月19日までに16夜にわたって星空案内があります)。
星空案内人チームの隊長の川井榮助さんからの報告によるとこの日は319名の方が星空案内を楽しんだそうです。

一方、月山スキー場では、 西川町月山朝日観光協会主催の行事で星空案内を行い,担当の阿部健彦さんによると
志津温泉などの宿泊のお客様34名の方が参加されたそうです。

どちらも標高1600m程の高さです。これくらい高いところに登って見る空にはどんな特徴があるのでしょう。

月山では,ペアリフトの終着駅まで登って星をみます(写真1)。
夜間のリフトの運転は昨年はゼロ、今年はこの日一回のみということで,非常に珍しい体験をすることになりました。


まず、まだ夕焼けが残る7時半頃、国際宇宙ステーションが日本上空を通過するのを見ながら、気分が盛り上がります。
この日は、旧暦の七月の半月が南の空に高く上がっています。
半月ということは旧暦で七日ごろ、七夕のころということになります(今年は正確には8月9日でした)。
これが満月になるとちょうどお盆です。
七夕の星の話しもしましたが、なんと言ってもさそり座に集まっている月と火星と木星が印象的です。
火星に対抗するものという意味をもつ「アンタレス」という名前の赤い星を中心に、はさみから毒針までの雄大なさそりの
姿に皆感動です。 いて座もしっかり半人半馬のかっこうに見えています。街中ではそうはゆきません。

ここで高山でみる星空の特徴を述べます。
普通ですと月がこれだけ明るいと星座の説明が苦しくなるのですが、こんな明るい月があっても天の川が見えているのです。
月からはなれた、はくちょう座、カシオペア座のあたりの天の川はもちろんですが、月のすぐ横の、さそり座やいて座の
天の川もしっかりみえています(写真2)。
これは、バックグラウンドと言って人口の光などが水蒸気やチリなどに反射してボーと空全体が明るくなる現象が非常に弱いことによります。
月からの光が大気に散乱する量も非常に減っています。
このようにバックグラウンドの光が弱いと天の川も星座もきれいに見えるのです。
山の上から盆地をみると、盆地の底はなにかどんよりと濁った空気に見えて,あん空気の悪いところで住んでいるんだなと思えることがありますが、
そこから抜け出して山の上でみる夜空は格別ということですね。




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図1 月山スキー場のリフトで登ります http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/430-fig1.jpg
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図2 月山での星空(月があっても天の川が見えています) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/430-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/430-fig.pptx