星を見る生活

夜遅くまで勤務して帰るとき、空高く昇った「おりひめ
星」を見つめながら遅くまでがんばったなと自分をなぐ
さめます。深夜まで酒盛りをしてしまい、玄関先でぎら
ぎら輝く木星を見てしまって、なんて遅い時間まで遊ん
でしまったんだろうと反省します。この季節に高く昇っ
た「おりひめ星」を見ることがいかに遅い時間かという
ことや、木星を見ることがさらに遅い時間を意味するこ
とを知っていると、気持ちの深さは限りなく味わいが出
てきます。星とともに暮らすのはいい気持ちです。下ば
かり見ていないでたまには夜空を見上げてみましょう。

では、星空案内をいたしましょう。星座なんか知らなく
ても構いません。今日このごろは夏至が近いですから午
後7時にならないと日が沈みません。星空がしっかり見
えるのは午後8時です。その頃、ほぼ真上、やや南におり
たところに非常に明るい星を見つけましょう。日本名は
「麦星」、春の印です。西洋では、うしかい座のアルク
トゥールスと呼んでいます。同じくらい明るい星を東の
空に見つけましょう。「おりひめ星」です。夏の星たち
が東から昇って来ているのです。これが頭上に昇ってく
るのが午前0時過ぎになります。もっと遅くまでねばると
南東のそらにものすごく明るい星が昇って来ているのが
みえるでしょう。これは木星です。星座で言うと「いて座」
の位置になります。

学生が聞きます、「南にすげー明るい星が出てたんですけど、
あれはなんですか?」星の名前は答えずに言います。「そんなに
遅くまでなにしてたの?」午前3時頃まで飲んでたのかな?


図1 午後9時頃の東の空 (緑の点線は夏の大三角)
(アストロアーツ製ステラナビゲータを利用)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/44-fig1.jpg
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/44-fig1.ppt


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捕捉(未掲載)