人類の歴史と星空
人類誕生とほぼ同時に星と人との関わりが発生したのだと思います。
石器時代の出土品の中に、月の満ち欠けや暦と関連したものをみつけた考古学者も居るそうです。

星の中でも特に太陽は重要でしょう。
植物が育ち、花を咲かせ,実を稔らせる周期を太陽は支配するので
神の力を原始の人々も感じて居たでしょう。
夏至の日の太陽はもっともエネルギッシュで、冬至の太陽は衰えた感じがします。
それは一年という周期でくり返します。
よく観察すると、太陽の高さや日出・日の入りの方向がこの季節の周期にあわせて変化します。
図1のように、春分・秋分の太陽はちょうど天の赤道(オレンジ色の軌道)と呼ばれるところを動き、
真東から出て、真西に沈みます。

ところが夏至の日はそれより高く昇り、結果として、日出・日の入りはやや北よりになります(赤い軌道)。
冬至の日は逆に日出・日の入りは南に移動します(青い軌道)。
古代の人はこれをよく知っていたようです。

新石器時代に作られたイギリスにあるストンヘンジはとても有名です。
図2の様に導入路(図よりずっと長く伸びています)があり、円形の土塁で囲まれた領域に、
巨大な石が並べられ中央に祭壇があります。
何らかの儀式が行われたのでないかと思われています。

興味深いのは、この巨石による舞台の作られている方向が夏至の日出と冬至の日の入りの方向に合わせされていることです。
夏至の日のご来光が、導入路、ヒール・ストンと呼ばれる古代な石の柱を通り、
ちょうど中央の祭壇に差し込むようになっています。
まるで、最高潮の太陽のエネルギーを受け取るように馬蹄形に石が並んでいます。

この遺跡は石器時代から人が太陽、月、そしておそらく星の動きを注意深く見て生活していたことを予感させます。
おそらく、石器時代の人々も、星空を美しいものとしてながめ、
また、星空の中に神からのメッセージを受け取っていたと思えてならないのです。




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図1 太陽の動きとストンヘンジの方向 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/452-fig1.jpg
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図2 ストンヘンジの構造 (www.english-heritage.org.ukおよび D. H. Kelley、E. F. Milone 著 Exploring Ancient Skiesを参考に作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/452-fig2.jpg
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図3 ストンヘンジ ©English Heritage) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/452-fig3.jpg (下記のサイトに写真の使用許可を申請し、OKをもらいました。) (image source http://www.english-heritage.org.uk/visit/places/stonehenge/history/significance/#)
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/452-fig.pptx