第二の地球?
第二の地球というと、
私たちの地球とそっくりな星が宇宙のどこかにあって、
そこには生命が居るかもしれないというような星をさします。
今日は地球とほとんど同じサイズの天体なのですが、
全然違った星があることを紹介しましょう。

その星の半径は約7000kmで地球とほぼ同じです。
第二の地球と言いたいほどです。
しかし、
その重さは太陽と同じくらいです。
白色わい星という種類の星です。

実例を図1に示します。
今晩7時ころの南の空の高度40度より少し下のところにとても明るい星、
おおいぬ座のシリウスが見えます。
これをハッブル望遠鏡で撮影したのを右に示しています。
明るいシリウスAと非常に暗いシリウスBがあって互いに回り合っていることが知られています。
このシリウスBが白色わい星という種類の地球サイズの星です。

どうしてこんな星があるのか事情を説明します。

ふつうの星は水素を主成分とするガスです。
ガスを構成する原子が万有引力で互いに引き合うことによって、星は縮もうとします。
しかし,太陽を見れば分かるようにガスは高温です。
そのために外に向かった圧力で膨張しようとします。
縮もうとする引力と膨張しようとする圧力が釣り合って星はある大きさで落ち着いています。

星は光っていますので熱を放出し、
時間が経過すると冷えてしまうため、膨張する圧力が不足してどんどん小さくなっていきます。
徐々にしぼんでいく風船のように。
しかし、
太陽では星の中心で核融合反応が起きて熱を供給してくれるので実際には冷えることはなく、
縮むこともありません。

熱源は核融合反応で、水素がヘリウムになるとき熱が出るのですが,
水素が全部ヘリウムになると、
燃料の水素がなくなり、つまり、熱源が無くなり、星は縮んでしまいます。
縮むとヘリウムから炭素などを融合する反応が起きて熱源になります。
ヘリウムはすぐに、炭素、水素、窒素、マグネシウムなどに核融合され熱源はこんどは本当に無くなってしまい、
星は縮み、カチカチの固体のような状態になって、やっと、収縮はとまり、
地球サイズで落ち着きます。
こうして白色矮星ができるのです。
50億年以上たった太陽の老後はこんな星なのです。
(太陽よりも十倍くらい重い星は別の運命なのですがそれはまた別の機会にお話しします。)




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図1 2月22日午後7時半頃の南の空。(シリウスの画像提供:NASA/ESA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/456-fig1.jpg
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図2 普通の恒星と白色わい星 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/456-fig2.jpg
本文終わり
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