アカナー
アカナーは沖縄の民話では人気のキャラです。
月に住むと言われていて様々なお話がありますが、その一つを紹介しましょう。

むかし、正直者のアカナーはずるがしこいサルといっしょに住んでいたんだって。
アカナーとサルの住む屋敷におおきな桃の木があって、
たくさんの桃が実りました。

サルはよからぬことを考えてアカナーに言います。
「桃の実がたくさん熟れているね。とても食べきらないよ。
あれを街で売ったらお金、もうかるとおもうけど、どんなぁ?(どうだろう)」
「うん、いいさぁ(いいね)」
調子よく話が進んで、
「どうせならどっちがたくさん売るか競争しよう。どんなぁ」
「うん、いいさぁ」
「別に売ったらどんなかねぇ。アカナーは首里で、わんは那覇で。どんなぁ」
「うん、いいさぁ」
「でさ、負けたほうが、この家でていくわけさぁ、どんなぁ」
「うん、いいさぁ」
あれって、思ったアカナーですが後の祭り。
サルは、アカナーが嫌いなので追い出そうとたくらんだわけです。

サルは木に登り、よく熟れた実を自分のカゴに、
熟れていない実をアカナーのカゴに入れました。
案の定、サルの桃はすぐに売れましたが、アカナーの実は売れませんでした。

アカナーは
「ああ、これじゃ家を追いだされてしまうなぁ」
と困ってしまいました。
夜になって大きな満月が顔を出しました。
「美しく輝くお月様、どうぞ助けてください。」
「お月様のためになんでもしますから、どうぞお助けください。」


正直者のアカナーをかわいそうに思ったお月様はアカナーを月にあげて住まわせることにしました。


こうしてアカナーは月の子供になりました。
ほら、月をみるとアカナーがおけとひしゃくをかついでお月様のために働いている姿が見えるでしょ。

(出典:「読み語り、沖縄のむかし話」沖縄むかし話の会編)



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図1 (挿絵:菊地美咲) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/466-fig1.jpg
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図2 (挿絵:菊地美咲) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/466-fig2.jpg
本文終わり
パワポ