冬の天の川
図1は今晩午後6時頃の夜空です。
頭上に、はくちょう座があります。
その形から北十字とも呼ばれます。

はくちょう座というと思い出すのは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の物語です。
図1で分かるとおり、はくちょう座からわし座、いて座、さそり座(すでに地平線の下)に
向かって天の川が流れています。
物語ははくちょう座から始まって、さそり座を通り、その先にある南十字座の終点まで続きます。
北十字から南十字までですね。

モデルになったのは岩手軽便鉄道といわれており、現在のJR釜石線にあたる路線です。
今では蒸気機関車を復元し運行する特別列車「SL銀河」が運行されています。
車内に光学式プラネタリウムもあるそうです。
先日、釜石に行ってきました。
SL銀河には乗りませんでしたが釜石駅に停車していたので写真をとりました(図2)。

天の川は、はくちょう座からさそり座方向に流れていますが、逆向き、つまり、
図1のカシオペヤ座方向にも流れています。
この上流方向の銀河鉄道の地図を作ってみました(図3)。

北十字からカシオペヤ座、さらに進むと、
天の川の両岸に、北の織姫星に相当するぎょしゃ座のカペラと北の彦星に相当するおうし座のアルデバランが光っています。
カペラは織姫星と同じ0等星です。
さらに上流に進むと冬の大三角があってその中央を天の川が流れています。
このあたりはいっかくじゅう座です。
その上流にはギリシヤ神話のアルゴ船の星座があります。
なんだかこの路線を旅する物語も作れそうですね。

銀河鉄道の夜の冒頭部分に書いてあるとおり、
天の川は肉眼で見えないほどの暗い星の集まりでこれを銀河系とよびます。

北の織姫と彦星の間で川が一番細くなっているところがありますが、
この方向が銀河中心の反対側でです。
逆に、図1でいて座のあたりが川幅が一番広くて、この方向が銀河系の中心方向です。
川幅として銀河系の形がちゃんと見えるのです。




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図1 10月25日午後6時頃の夜空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/490-fig1.jpg
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図2 SL銀河 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/490-fig2.jpg
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図3 冬の天の川 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/490-fig3.jpg
本文終わり
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