北斗七星と春の大曲線

春から夏にかけてもっとも見つけやすい星座は?と問わ
れたら、「北斗七星」をあげたたいと思います。しかし、
正確にはこれはおおぐま座の一部の呼び名で星座ではありません。
でも目だつ星の形です。「ひしゃく」の形をした七つの星です。

今週でしたら午後8時頃外に出ると、北西の空高くみえ
ているはずです。中央の星はややくらいので街中では
見にくいかも知れません。ひしゃくといっても若い世代には
通じないかも知れません。
星座発祥の地のメソポタミアでは
荷車とそれを引く3人の人と見ていたようです。
同じ、発想は中国にもあって、こちらは天帝の車です。
フランスではソースパンです。私は現代風にショッピングカート
ではどうでしょう。(図参照)新しい星座を創るのも楽しいので、
夜空をながめながら、自由に考えてみましょう。

北斗七星の柄の部分はよく見るとまっすぐでなくて、
曲がっています。この緩やかな曲がりを自然に伸ばし
てゆくと明るいオレンジ色の星にぶつかります。うし
かい座のアルクトゥルスとよばれる星です。この曲線
をさらに伸ばすと明るく白っぽい星にぶつかります。
おとめ座のスピカです。曲線をさらに伸ばすと「から
す座」です。北斗七星からのびるこの大きな曲線を
「春の大曲線」と呼びます。なかなか素敵な名前ですね。

日本ではアルクトゥルスを「麦星」と呼んでいる地方が
あります。ラテン語でスピカは「麦の穂(穂先)」を意
味する。両方とも麦に関係しているのは、麦の収穫の季
節に見える星だからですね。
スピカは1等星ですが、アルクトゥルスはこれより1ラ
ンク明るくて0等星です。宇宙散歩の歩巾は1光年だと
以前書きましたが、スピカまでは260光年(260歩)、
アルクトゥルスまでは37光年(37歩)です。非常に近くにある星と言えそ
うです。といっても光で行って人間の一生ほどの距離で
すから宇宙は広いです。

画像データ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/0702.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/0702fig1.jpg
ステラナビゲータ(AstroArts Inc)を用いて作成
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/export/0702fig2.jpg