太陽系外惑星の大気の観測
星座を作っている星々にも惑星が回っていて、
その中から地球と同じ様に生命を育む惑星が見つかるのも間近になっているとこのコーナーで書きました。
今日は、
太陽系外の惑星の大気の分析ができる様になったことを紹介します。

おとめ座にある WASP-39という星は地球から750光年の距離にあり、太陽と似た星です(図1)。
その周りに回っている惑星 WASP-39bという惑星の大気が観測されそのスペクトルが発表されました(図2)。
なんだかよく分からない波打つグラフが描かれています。
横軸は光の波長で、縦軸が光の強さです。
山になったところの波長で分子からの光が出ています。
水や二酸化炭素からの光であることが分析からわかったということです。
山の高さや幅から水や二酸化炭素の量を推定することが可能です。

太陽系以外の星の惑星に水や二酸化炭素があるなんてすごいと思わないでくださいね。
このコーナーで以前紹介した通り、宇宙空間の気体の主成分は水素、酸素、炭素などですから、
水や二酸化炭素があるのはごく自然のことです。

水があるから海があるということではありません。
この惑星は土星や木星と同じガス惑星です。
太陽系の土星や木星の大気の中に水や二酸化炭素があるのと同様にこの惑星にも水や二酸化炭素があったということです。

驚きは、太陽系外のとても暗い惑星の大気から出てくる弱い光を捉えて、
その成分を分析できる様になったことです。
これは素晴らしい測定技術です。
これをさらに高精度化して、もっともっと小さい地球サイズの惑星の大気の成分を調べることができれば、
いよいよ地球の様な惑星の調査ができます。

一歩一歩、着実に科学は進歩しているのを感じます。



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図1 今晩11時頃の東の夜空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/509-fig1.jpg
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図2 WASP-23bからの光のスペクトル(提供:NASA,ESA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/509-fig2.jpg
本文終わり
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