伝統的七夕
七夕のお祭りは伝統的には旧暦の七月七日に行うものです。
今年は今月の十七日がその日にあたります。
午後8時40分頃に織姫星がちょうと真上にやってきます。
天の川もよくみえます(図1)。

こと座のベガ(織姫星)はその位置といい明るさといい七夕伝説のヒロインとなるのは必然といえるでしょう。
その相手の星はどうでしょう。
空を見上げると天の川を隔てて次に明るく輝くのはわし座のアルタイル(彦星)しかありませんので仕方なくこの星が脇役となります。
しかし、高さも低く明るさの点でもいまひとつで、
いつも尻に敷かれる男性の宿命を表しているようです。

七夕の話は、
天帝の娘の織姫と牽牛(彦星)が仲良くなりすぎて働かなくなったので、
天帝の怒りに触れ、二人は離れ離れに引き裂かれることになった。
けれど、一年に一度、七夕の夜に会えることになりました、というものでした。

これは、もともと中国で作られ日本に伝わったものです。
しかし、現在中国で知られているのは天河配という物語で、
すこし日本のとは違います。

牛飼いの牛郎が水浴をする天女の羽衣を隠して、二人は結婚することになり、
二人の子供も生まれます。
満期が来て天女は天に戻ることになりますが、
牛を殺して皮を剥いでかぶると天に行けると言いのこします。
そして、牛郎が天に到達できますが、いろいろあって、
天王母がかんざしで線を引くとそこに天の川を生じ、
二人を分けてしまうことになります。
一年に一度七夕の夕にカササギが橋をかけて二人を再開させることになったということです。


また、別のお話もあります。
ミケランという若者が仕事の帰り、水浴する天女に出会い、羽衣を隠して、結婚を願います。
二人の子供に恵まれ、犬のシロともに楽しい四人家族となります。
ある日、天女は隠されていた羽衣を発見し、
子供を連れて天に戻ります。
戻ってきたミケランは天女の手紙に従って、竹を植えますと、瞬く間に竹は天に届くほどに伸びます。
シロとミケランは竹を登って天に至りますが、天に住むためには王からの試験があり、
王の言うことに対しなんでも反対のことをしなければなりません。
天女の助けもあってもう少しで合格という最後のときに、
王が瓜を縦に切るように命じますが、
ミケランはうっかり言われた通り縦に切っていまいました。
瓜からら水が溢れ出て天の川となり二人を引き裂いてしまいました。
かわいそうに思った王は一年に一度だけ二人を合わせることにしたと言います。

恋する二人を天の川が分ける話が世界各地にありそうですね。
むかしから、恋が成就しないことが本当に多いのでしょうね。



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図1 今週午後8時40分頃の夜空。七夕の星、火星、土星、木星が明るく見えています。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/531-fig1.jpg
本文終わり
パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/531-fig.pptx references will be note-531