ハッブル望遠鏡の新しいプロジェクト
ハッブル宇宙望遠鏡の新しいプロジェクトの映像が9月13日に公開されましたのでご紹介します(図1)。
プロジェクト名はバッファローと言います。
およそ400年前に物体の重力による落下運動を研究したガリレオも、
およそ100年前に一般相対性理論を作り上げたアインシュタインもこの写真を見たらきっと息が止まるほど感動すると思います。
二人とも重力に非常に関心を持ったわけですが、この写真はまさに重力が持つ不思議な力を見せてくれるからです。

写真はクジラ座方向にあるエイベル370という名前の銀河の集まりです。
銀河団と呼ばれます。
いろいろな色で光る点がたくさんあります。形もいろいろで、
ぼんやりした楕円形や細長いもの、
渦巻いたものがたくさん写っていますが、
これら一つ一つがみな銀河と呼ばれる天体です。
一つの銀河はたくさんの星の集まりです。

この銀河を一つの集団としてまとめているのは正体不明のダークマターと呼ばれるもので、
銀河団はすなわちダークマターの塊と覚えておいた方が良いでしょう。

ダークマターの塊は銀河をまとめるだけでなく、その強い重力によって図2のように光を曲げることができるため、
宇宙における天然の虫めがねになっています。
強い重力レンズ効果と専門家は呼びます。

図1に見える細い円弧状の細い線がいっぱい見えますが、
これらはこの銀河団よりもずっと遠いところにある銀河の像です。
重力レンズによって、本来は暗くて小さくて見えない銀河がこのように見えています。
中でも図一の中央より下、少し左側にある「ドラゴン」と呼ばれる細長い像が特に綺麗です。
ただ、残念なことにガラスのレンズのようには行かず、非常に歪んだ像になることが欠点です。

この銀河団までの距離はだいたい50億光年ですが、レンズを通して見ている銀河は100億光年以上も遠くにあってそれを拡大して見ているのです。
このような拡大像を使って宇宙が始まって数億年しか経っていない頃の宇宙を研究することができます。




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図1 銀河団エイベル370 (提供:NASA/ESA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/536-fig1.jpg
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図2 重力レンズ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/536-fig2.jpg
本文終わり
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