小惑星はみな兄弟?
地球のような立派な惑星になりきれなかった小さな惑星の卵がたくさん太陽の周りを回っています。
地球や火星、木星の軌道あたりを回るこのような天体を小惑星と呼んでいます。
小惑星を探ることによって太陽系の中の惑星の形成過程、地球の誕生の頃のことがわかるので、
とても注目されています。

実際に宇宙船を小惑星に到達させ、サンプルを地球に持ち帰り分析するプロジェクトが進んでいます。
まさに今、日本のJAXAが打ち上げたはやぶさ2と呼ばれる探査機が小惑星リュウグウに到達し、
サンプル採集の機会を待っています。
そして、間もなくNASAの探査機オシリス・レックスがベンヌという別の小惑星に到達しようとしています。

わたしの、そして、科学者の、皆さんの驚きは二つの小惑星リュウグウとベンヌの姿があまりにも似ているということです。
図1がリュウグウ、図2がベンヌです。
両方ともそろばん珠に似ており横から見ると、丸でなくて四角く見えます。

自然法則にしたがって惑星が形成されるので同じような過程を経ると同じようなものができるということですね。
でも、そこで働いている自然法則、メカニズムはなんなのでしょう。
エキサイティングな問題だと思いませんか。
小惑星は皆、同じ形をしているのでしょうか。

二つの小惑星の軌道を描いてみました。
図3です。とても似ていますね。
両方とも炭素を含むC型と分類される小惑星です。
非常に似た環境で育ったのでしょうね。
小さなチリが集積してここまで育つときに同じメカニズムが働いて同じ形になる。
でも詳細に見ると違いがあるそうです。
サンプルが地球に持ち帰られ、成分の分析が始まるのが楽しみです。




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図1 小惑星リュウグウ(JAXA提供) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/547-fig1.jpg
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図2 小惑星ベンヌ(NASA提供) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/547-fig2.jpg
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図3 二つの小惑星と地球の公転軌道の比較 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/547-fig3.jpg
本文終わり
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