ブラックホールはなぜ光る
宇宙では極端な現象が起こります。
ブラックホールもその一つです。
ブラックホールは、
強い重力のため、
なんでも吸い込んでしまう底なしの井戸のようなものです。

図1の左のようにすっと吸い込めば、
遠くにいる私たちからは何も察知することができず、
ブラックホールの存在に気がつかなかったことでしょう。
ところが、実際は、
ブラックホールに落ち込んでいくガスは渦を巻くので、
回転による遠心力が働きます。
また、
吸い込まれたガス同士が互いにぶつかり合って乱流状態になります。
そのため図1の右のように、
井戸の吸い込み口で滞りができてしまいます。

遠方から重力により吸い寄せられ、
滞っている吸い込み口までやって来るまでにはかなりの重力落差があります。
そのため吸い込み口で滞っているガスは高温になります。

高い位置から吸い込み口まで落下すると温度が上がることを
簡単な実験で確かめることができます。

図2で、袋に詰めた鉛の球の温度を測り(左)、高いところから落下させ(中)、
再び温度を測ります。
すると落下後確かに鉛の球の温度が上がっているのです。
ブラックホールの吸い込み口のガスの温度は1億度ほどになっています。
そのためにそこからX線が放射されます。
そのX線をX線望遠鏡で捉えることができました。
こうして、確かに宇宙にはブラックホールがあることを確かめることができたのでした。





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図1 ブラックホールは井戸のようなもの http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/556-fig1.jpg
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図2 鉛の小球を袋に詰めて、温度を測定。その後、高いところから落下させ、 再び温度を測定します。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/556-fig2.jpg
本文終わり
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