高速電波バースト
突然、空の一点が光り、
やがて消えてゆくといった現象はちょっと不気味ですね。
目で見えるそのような現象としては、古くから超新星が知られています。

X線望遠鏡が開発されると、すぐに、X線で突然光る天体が見つかりました。
ガンマ線での観測が始まると、すぐに、ガンマ線で突然光る天体が見つかりました。
これらはみな宇宙で起こる派手な爆発現象に関連しています。

宇宙からの電波を電波望遠鏡を使を使って観測する電波天文学は第二次世界大戦中に誕生しました。
それから何十年も経つのに、電波を突然発する天体は報告がなく、
電波を突然出すような派手な爆発はないのだろうなと思っていました。
ところが、とんでもない突発的な電波が発する現象が見つかり最近話題を呼んでいます。

いつ、どの方向に現れるかわからない現象で、突然、空のある点から強烈な電波がやってきます。
継続時間がミリ秒(1000分の1秒)程度と一瞬の現象なので、「高速電波バースト」と呼ばれています。
突然のしかも一瞬の現象でどこに出るかわからないということですので、
全ての高速電波バーストを捉えることはできません。
しかし、これまでの観測実績から、
1日に数千から一万回程度の頻度で電波放射が起こっていると推定されています。
最初にこの現象を発見したのは2007年でオーストラリアにあるパークス電波天文台です(図1)。

宇宙空間を伝わる電波は、宇宙空間にあるわずかなガスため、高速よりも少しだけ遅く伝播します。
遅れは電波の周波数が低いほど顕著に現れます。
そのため電波バースは周波数が低いほど地球に到来する時刻が遅くなります(図2)。
そして、その遅れが大きいほど遠いところから電波が出ていることになります。
ちょうど地震の波の場合と同じようにして、この遅れを利用して震源までの距離、
つまり、電波の発信源までの距離を推定することができます。
研究の結果、
高速電波バーストはおそらく50億光年あるいは100億光年も彼方の宇宙からやってくることがわかりました。
宇宙のあちこちで大きな爆発現象がありそこから電波が出ているようですが、その正体はまだわかっていません。
宇宙の魅力は考えもしないとんでもないことが起こっていることだと思うのですが、
また新しいとんでもないことが見つかりました。








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図1 パークス電波望遠鏡(提供:CSIRO)(https://blog.csiro.au/parkes-the-gift-that-keeps-on-giving/) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/572-fig1.jpg
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図2 高速電波バーストの到達の様子と波形( Keane ほか. ネイチャー 530巻, ページ453–456 (2016年) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/572-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/572-fig.pptx references https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/11484 572-ref1.pdf 572-ref2.ppt