星はなぜ丸い
時々こんな質問を受けます。星はなぜ丸いのか。これを立証する
簡単な実験を紹介しましょう。夏休みの自由研究に使えそうな実
験です。

準備するものは一円玉を十個くらい。汚れのないように綺麗に洗
って乾かしてください。次に、大きなボールか鍋、あるいは洗面
器に水を張ります。静かに一円玉を水面に放つと、一円玉は沈む
ことなく浮かびます。表面張力のおかげです。

次々に一円玉を浮かせてください。お互いに離れた位置に置きま
しょう。あとはじっと様子を観察するだけです。

しばらくすると一円玉同士に働く引力のために、一つ、また一つ
と合体していきます。図1のようです。次々に合体して大きな集
団に成長していきます。十個以上ではやったことないですが数を
増やすと楽しいかもしれません。

地球などの惑星ができたときはちょうどこんなことが起きたので
した。最初、微惑星と呼ばれる小さな岩のようなものがたくさん
できるのですが、それらが太陽の周りを回っているうちに合体し
ます。合体を繰り返し、やがて惑星の卵に成長するのです。

図1の3のように一円玉が横に長く伸びていても、ほおっておくと
4のように丸く集まります。互いに引力があると確かに丸くまと
まる性質があることが実験的に示されたわけです。細長い惑星の
卵も合体が進むと丸くなるというわけです。

図2は左から小惑星イトカワ、木星の衛星アマルテア、土星の衛星
ミマスで、それぞれ大きさが、約540メートル、約160キロメートル、
約400キロメートルです。アマルテアは球といえるかいえないかの
限界ですので、だいたい200キロメートルくらいに成長すると球に
なっていくことがわかりますね。

惑星は合体するだけでなく壊れることもあります。一円玉の実験
でも小さな波をつぎつぎに起こして惑星を壊す実験もできます。
いろいろ実験を繰り返して、また本で調べたりしながら自由研究
を仕上げてはどうでしょう。



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図1 1円玉を水に浮かべる実験 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/632-fig1.jpg
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図2 小惑星や衛星の大きさと形の関係(提供:1. JAXA, 2,3 NASA ) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/632-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/632-body.html-fig.pptx references will be note-632-body.html