Swift J1818 magnetar
地球上ではいろいろな自然現象が起こります。 強い暴風雨だったり、火山の噴火だったり、地震であったり。 生物界でも今回のパンデミックであったり。 恵だけでなく苦難も自然はもたらします。 それは宇宙でも同じです。 宇宙もそんなに静かではないのです。 昨年3月13日午前6時16分に射手座の方向で強いX線の閃光がありました。 直後からたくさんの天文学者が観測を続け、正体を明らかにしようとしています。 現在ではマグネターと呼ばれる種類の星であることまではわかってきました。 マグネターはマグネット(磁石)とスター(星)との合成語で、 正式な日本語訳はありません。 X線の閃光の後もX線は出し続けておりその映像が図1です。 中央の四角で囲った中の青く光る点がそのマグネターでJ1818.0-1607という味気ない名前で呼ばれます。 場所はいて座です。図1の下に明るく広がって光っているのは「オメガ星雲」と呼ばれる星雲で、 天文好きなかたが持っている小さな望遠鏡でもよくみえる星雲です。 そのすぐ隣にこのマグネターはあります。 光の分析から星の表面の温度は千四百万度もありマグネターの中でも特別高温です。 この星の大きは山形市くらいです(参考図2)。 形は球体でくるくる回っていて、自転周期は1.2秒です。 この星に住んだら1日は1.2秒ですね。 明るさは太陽の百倍くらいあります。 太陽の黒点は強い磁石ですが、 その強さの1千億倍ほどの強さの磁石になっています。 そんな星の表面で時々巨大な爆発を起こすようなのです。 宇宙は悠久普遍で静かなイメージがあるかもしれませんが、 宇宙のあちこちで毎日のように不思議な天体が閃光し、 その光が地球にやってきています。
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図1 2020年3月13日に活動を見せたマグネター(ウエストバージニア大学、ブルーマさんらの研究より) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/658-fig1.jpg
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図2 マグネターの想像図(提供:NASA) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/658-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/658-fig.pptx references Chandra observations of the newly discovered magnetar Swift J1818.0-1607 Harsha Blumer, Samar Safi-Harb https://arxiv.org/abs/2011.00324