ミーアキャット(MeerKAT)

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図1は何の絵でしょう。
素晴らしい抽象画。
皆さんは何に見えますか。
宇宙の一コマです。
これを描いたのは人間ではなく自然ということになります。



現在、たくさんの国々が共同で建設しているSKAという巨大望遠鏡計画があります。
SKAはたくさんの電波望遠鏡で構成される望遠鏡群です。
完成はまだまですが、望遠鏡の集合体なのでいっぺんできるのではなく徐々に出来上がっていきます。
そのほんの一部が南アフリカで作られ、
ミーアキャット(MeerKAT)というニックネームで呼ばれています。

図2のように64台の口径13.5mパラボラアンテナ鏡からなる電波望遠鏡群で観測しています。
図1が
その最初の結果の一つが図1なのでした。
じょうぎ座にあるESO 137-006 という名前の銀河の電波像です。
観測周波数は1ギガヘルツです。

ミーアキャットには2023年に20台の望遠鏡が追加つかされますが、
最終的なSKAまではまだまだ先です。
図1だけでも驚きの画像ですが、
SKAが完成したらどんなことになるか今から楽しみです。
私たちの宇宙観は一変するに違いありません。

それにしても図1を見て気になるのが非常に細く引かれたたくさんの曲線です。
このようなたくさんの曲線は銀河では今までに見たことがありません。
これまでの望遠鏡では視力が悪くて分解できていなかったのが、今回の観測で見えるようになりました。
電波を出しているのは非常にエネルギーの高い電子です。
電子が磁力線に絡まって運動するときにシンクロトロンとよばれる電波を出すのですが、
それが原因です。
すると細い線は磁力線に沿っていると考えられますが、
こんな形に磁力線があるのはどう理解していいのか途方にくれてしまいます。

このような像は今後たくさん撮影され、サンプルが溜まってくると正体が徐々にわかってくるでしょう。


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図1 電波銀河ESO 137-006をミーアキャットで観測 (Credits: Rhodes University/INAF/SARAO) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/667-fig1.jpg
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図2 南アフリカにあるミーアキャット (Credits: SARAO) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/667-fig2.jpg
本文終わり
パワポ references Collimated synchrotron threads linking the radio lobes of ESO 137-006 Ramatsoku et al. 2020 A&A Volume 636, April 2020 L1 see also https://www.skatelescope.org/news/ska-precursor-telescope-meerkat-inaugurated-south-africa/ https://www.nrf.ac.za/tags/eso-137-006 https://www.sarao.ac.za/ https://japan.skatelescope.org/ska-project/