どこまで明るくなるの?金星

夕方、西の空に見えている金星ですが、どんどん明るさを増
して、いったいどこまで明るくなるのか心配になるくらいで
す。今後の金星の見え方を図1にしめしました。図には示し
ていませんが、1月30日は月と並んできれいですので是非
ごらんください。

星座をかたちづくる星(恒星)の中でいちばん明るいのは、お
おいぬ座のシリウスです。これを百ワットの電球に例えると、
もっとも明るくなった金星は千六百ワットもあり、まさに、
ギラギラという感じです。1月中旬は最大光度に近いのです
が、これからもう少し明るくなって2月26日ころに最大の明る
さになります。そしてやがて暗くなっていきます。

この金星の明るさが変化する仕組みはどうなっているのでし
ょう。まずは、金星までの距離が問題です。地球に近いほど
明るくなりそうですね。図2に示したように地球と金星の位置関係
は変化していますから、今よりも3月の方がずっと地球と金
星は接近して明るくなりそうです。

しかし明るさは、単純に距離だけではきまりません。図1に
望遠鏡で見たときの金星の見た目の形をしめしています。金
星などの惑星は太陽の光を反射して光っています。 なので
太陽の光があたっているところが光ります。そのため、金星
は月と同じ様に満ち欠けします。今は金星は半月型で、3月
には三日月形になっていきます。三日月のように欠けた金星は
暗く見えます。なので、3月は金星と地球の距離は近いので
すが、結果的に暗くなってしまいます。

去年の12月頃は、金星は満月に近い形だったのですが、暗
く見えました。なぜだかわかりますか。金星は遠くにあった
からですね。距離もそこそこ近くて、形も大きくは欠けてい
ない今ごろがもっとも明るく見えるのです。


図1 夕方6時頃の金星の見える位置と金星の形
(アストロアーツ・ステラーナビゲータを用いて作成)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/68-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/68-fig1.jpg
画像をクリック(拡大)

図2 1月21日から3月12日にかけての金星と地球の位置。
距離の単位は、太陽と地球の間の距離を1として表しています。
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/68-fig2.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/68-fig2.jpg
画像をクリック(拡大)