銀河系の外にも惑星?
--------------------------- 地球のような惑星の存在は太陽系に限ったことではなく、 宇宙の中では普通のことのようです。 たくさんの星が集まって銀河系を作っていますが、太陽はその中の一つの星です。 それら銀河系の多くの星の周りに惑星が回っていることは もはや疑う余地がないことです。 現在、地球のような生命のいる惑星の探査が盛んに行われています。 では、銀河系の外の他の銀河にも惑星はあるのでしょうか。 どう思いますか。 このほど銀河系外の惑星の第一号でないかという天体が見つかりました。 りょうけん座にあるM51という銀河にあるULSー1という天体です。 図1の四角で囲った部分でX線でとても明るい天体として有名です。 地球から2千8百万光年離れています。 青色の巨星と中性子星かブラックホールが互いに回る連星です。 巨星の物質が中性子星かブラックホールに吸い込まれていて、 その時に高温になりとても明るくX線で輝きます。 とても明るいので非常に遠くにあっても地球から観測できます。 ネイチャー・アストロノミー誌に掲載されたロザンヌ・ディ・ステファノさん達の 研究によるとULSー1の前を惑星が横切ったと思われる現象が観測されたそうです。 惑星探しでよく使われる方法は、図2の上のように、 太陽のような中心星の周りに惑星が回っていて、その惑星が中心星の前を 横切るときにみられる僅かな減光を見つける方法です。 中心星に対して惑星はとても小さいので減光は僅かですので、とても難しい観測です。 ところが今回は違います。 X線を出すのは中性子星かブラックホールですので その大きさは惑星と同じくらいです。 と言うことは図2の下のように中心星は全部隠されるのでほんの短い時間ですが、 中心星はほとんど隠れてしまいます。 なので、もし起これば非常にはっきりとこの惑星の通過現象が観測できるのです。 したがって、銀河系外の遠くの銀河で起こっても発見が可能と言うわけです。 宇宙には惑星だらけだと言うことが常識になってきました。 すごいな宇宙!と思いませんか。
図1 M51銀河とULS-1 (提供:NASA, チャンドラX線望遠鏡) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/700-fig1.jpg
図2 惑星の見つけ方 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/700-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/700-fig.pptx references file:///Users/shibata/Desktop/ss/ref/bibitems/m51_paper.pdf A possible planet candidate in an external galaxy detected through X-ray transit https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2021NatAs.tmp..204D/abstract \bibitem[Di Stefano et al.(2021)]{2021NatAs.tmp..204D} Di Stefano, R., Berndtsson, J., Urquhart, R., et al.\ 2021, Nature Astronomy. doi:10.1038/s41550-021-01495-w see also https://chandra.harvard.edu/photo/2021/m51/ 画像は縦長にしたので 1905x2752=1429x2064