NASA宇宙望遠鏡3兄弟

世界天文年のイベントのひとつとして、ガリレオの誕生
日2月19日のお祝いにNASAは「宇宙望遠鏡3兄弟」の合作
画像を公開したのでご紹介します(図1)。宇宙望遠鏡と
いうのは地上に設置されたのでなく、人工衛星として打
ち上げられた望遠鏡のことです。空気がない宇宙でで非
常に鮮明な画像を撮影することができます。図1に写っ
ているのは回転花火銀河というニックネームの銀河です。

三兄弟のひとつ目は「スピッツァー宇宙望遠鏡」でこれ
は赤外線をとらえ画像を撮影します。図1では赤い色で
示されていて、おもに宇宙空間のチリから出た赤外線に
よる像です。赤く見えるところは宇宙のチリがたくさん
あるところで、チリと回りのガスが集まって新しい星が
誕生します。

2番目は「ハッブル宇宙望遠鏡」でこれは人間の目とお
なじ可視光線で写真を撮ります。図2では黄色で表示さ
れていて、おもに星からの光です。きれいな渦が見えて
います。

3番目は「チャンドラ宇宙望遠鏡」で、これはレントゲン
写真でおなじみのX線で撮影します。X線は、1千万度に
もなる高温のガスから発せられでます。また、X線を発す
る星もあります。とくに、ブラックホールや中性子星があ
ると、まわりのガスがそれらに吸い込まれるとき激しくぶ
つかって数千万度になりX線を出します。これがX線星と
して見えます。図3では青く表示されているのがX線の像
です。

赤く見えるダストの雲から星が生まれ、黄色で示された星
になります。星は死の直前に最期の爆発をしますが、その
ときの光や、爆発の結果できたブラックホールや中性子星
から出てくるX線が青でみえています。このように銀河の
中では星が生まれそして死んでゆくドラマが繰り広げられ
ています。ガリレオの時代には想像もできなかったことが
望遠鏡の発達によって今ではわかってきました。

最後に同じ銀河を山形市内にある「やまがた天文台」で撮
影した写真を図2に示します。山形の町からもこの宇宙の
ドラマの片鱗をみることができたのでした。

(図1がきれいなので図1を図2より大きく扱ってください。)
図1 回転花火銀河(M101)の赤外線、可視光線、X線による合成画像。
(NASA提供)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/72-fig1.jpg
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図2 おなじ銀河を「やまがた天文台」で撮影した。
(やまがた天文台提供)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/72-fig2.jpg
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