人類の起源は宇宙? (No. 724)

date 2022 06 08
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誕生したばかりの地球には生き物などは居なかったはずです。
何もないところから、
よくも人間のような生き物が創られたものかと感心してしまいます。

およそ40億年も前のことです。
雷の稲妻で空気の分子が反応して有機物が作られて、
それが海に溶けて、だし汁みたいな海になり、
その中で、コアセルベートと呼ばれる細胞のもとになるようなものができて、
それが生命になっていくと解説した本を中学生の頃読んで感動したのを覚えています。

できたばかりの地球は溶けた岩石、溶岩みたいな状態でしたが、
やがて冷えて固まりました。
この段階で、生き物っぽいものは一切ありません。
現在の地球は生き物で溢れているわけですから、
なんとかゼロから生き物を作る仕組みを解明したいものです。

地球を閉じた世界と見るのはちょっと真面目すぎるのでないでしょうか。
地球の外には広大な宇宙があります。
熱い地球が冷えた頃を見計らって宇宙から生命の源が降ってきても良いのではないでしょうか。
確かに大量の隕石などが地球に降ってきた時期があることがわかっています。
生命の宇宙起源説もまんざら夢物語ではないようです(図1参照)。

宇宙空間に浮かぶ雲を電波望遠鏡で調べると皆さんがお馴染みの化学物質が
いっぱい見つかります。
水やメタンや二酸化炭素も見つかっています。アルコールも。
星や惑星のもとになる雲には生命の材料は確実にあるといえるでしょう。
彗星や小惑星、つまり太陽系にある岩のようなものは太陽の周りを回っています。
地上に落ちてきた隕石の成分分析の研究によると、
遺伝子を組み立てるDNAに重要な「核酸塩基」(図2)が隕石の中に見つかったと
いうことです。
また、宇宙の雲の環境を再現した実験で核酸塩基を合成することに成功しています。

すると生命のための部品になる分子が宇宙で作られ、
それが地球に降ってきて、
工作キットを組み立てるみたいに部品をカチャカチャ組み立てると生命ができたりなんかして、
などという妄想が湧いてきます。
さて、今後の研究に期待しましょう。



図1 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/724-fig1.jpg
図2 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/724-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/724-fig.pptx https://www.asj.or.jp/jp/activities/geppou/item/115-6_357.pdf 我々のルーツを星間分子に探る 大場康弘 2022 天文月報 vol 115 no. 6 pp.357 363 references will be note-724 https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/379 星間分子雲における核酸塩基生成に世界で初めて成功 ~宇宙の極限環境で核酸の構成成分が光化学反応により生成~