星空は高いところにある (No. 735)

date 2022 08 24
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最近の研究によると「星空はなぜ高いとろにあるか」
を伝える神話は神話の中でも最も古いものに属するそうです。
私がずっと昔、エチオピアの方から聞いた話と同じモチベーションの話が、
ガーナのアシャンティ族の神話にもあることを最近知りました
(後藤明著「世界神話学入門」講談社現代新書)。

そのお話によると、
最初最高神の「オニャンコポン」は地上の少し上に住んでいたそうです。
「オニャンコポン」は現地の言葉でどんな意味かは知りませんが、
日本語で言うとネコの神様みたいで楽しそうだったので、
私の勝手な創作で絵を描いてみました(図1)。
(ガーナのお話とこの絵とは切り離して聞いてください。)

おる女が杵と臼でヤムイモをついたのですが、
つくたびに杵で「オニャンコポン」は突き上げられました。
「痛い、痛い、、、」それで、
「オニャンコポン」は怒って天に登ってしまったそうです。

私がエチオピアの方から聞いた話では杵を打つたびに宇宙がどんどん高くなったと言うことでした。

女は子供たちに命じてありったけの臼を積み上げて天に行こうとします。
でも臼が一つ足りないために天まで届きません。
老婆がやってきて子供に一番下の臼を抜き取って一番上に積むように言います。
すると積み上げた臼が崩れ登っていった人がたくさん亡くなったというお話です。

このもう少しで天に到達する直前で失敗する話も昔から現代に至るまで物語のモチーフとしては人気がありますね。

さて、現代の宇宙物理学の物語としてはどんなお話になるでしょう。
宇宙という大きな器があって、
その中で重い元素が重力で沈殿して地上の世界ができましたというのはどうでしょう。
これだと現代の科学的な知見とあっています。
この線で、現代版の神話をみなさんも作ってみてはどうでしょう。





図1 杵で突き上げられる最高神の「オニャンコポン」 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/735-fig1.jpg
図2 臼を積み上げて天に達しようとしますが失敗します。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/735-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/735-fig.pptx references will be note-735